本日は、部門別原価計算表(相互配賦法)について、執筆していきます。
相互配賦法とは
相互配賦法
補助部門費を配賦する際、補助部門相互間のやり取りを含めて配賦する方法をいう。
部門別原価計算表(相互配賦法)の作成
相互配賦法による部門別原価計算の手順
1 部門ごとにかかった費用を部門個別費として計上する。
(黄色部分)
2 部門共通費を配賦基準をもとに各部門に配賦する。
(水色部分)
3 各部門費の合計を算出する。
(緑色部分)
4 補助部門費を配賦基準をもとに各部門に配賦する。
(赤色部分)
ここでは、補助部門相互間の作業を反映させる。
これを第一次配賦という。
5 第一次配賦にて配賦された補助部門費を製造部門に配賦する。
(黄緑部分)
これを第二次配賦という。
6 製造部門費を算出する。
(灰色部分)
部門別原価計算表の例
例1 下記の資料を元に部門別原価計算表を完成させよう。
(¥未満四捨五入)
例2 補助部門費配賦時の仕訳を行おう。
解答
例1 部門別原価計算表の解答例
例2 部門費配賦の仕訳例
第一次配賦
※¥未満四捨五入
(借方)切削部門 309,829
組立部門 91,624
動力部門 37,778
修繕部門 10,749
(貸方)動力部門 280,000
修繕部門 170,000
第二次配賦
※¥未満四捨五入
(借方)切削部門 37,914
組立部門 10,633
(貸方)動力部門 37,778
修繕部門 10,769
解説
1 部門共通費の配賦額
建物減価償却費
(配賦基準:従業員数)
切削部門
¥500,000×(5人÷25人)
=¥100,000
組立部門
¥500,000×(15人÷25人)
=¥300,000
動力部門
¥500,000×(3人÷25人)
=¥60,000
修繕部門
¥500,000×(2人÷25人)
=¥40,000
機械減価償却費
(配賦基準:機械稼働時間)
切削部門
¥300,000×(200時間÷300時間)
=¥200,000
組立部門
¥300,000×(50時間÷300時間)
=¥50,000
動力部門
¥300,000×(40時間÷300時間)
=¥40,000
修繕部門
¥300,000×(10時間÷300時間)
=¥10,000
福利厚生費
(配賦基準:従業員数)
切削部門
¥250,000×(5人÷25人)
=¥50,000
組立部門
¥250,000×(15人÷25人)
=¥150,000
動力部門
¥250,000×(3人÷25人)
=¥30,000
修繕部門
¥250,000×(2人÷25人)
=¥20,000
2 部門費の配賦
第一次配賦
第一次配賦では、補助部門費相互間の作業を考慮する。
動力部門費
(配賦基準:機械稼働時間)
切削部門
¥280,000×(200時間÷260時間)
=¥215,385
組立部門
¥280,000×(50時間÷260時間)
=¥53,846
修繕部門
¥280,000×(10時間÷260時間)
=¥10,769
※ 金額の小数第一位を四捨五入している。
修繕部門費
(配賦基準:修繕回数)
切削部門
¥170,000×(5回÷9回)
=¥94,444
組立部門
¥170,000×(2回÷9回)
=¥37,778
動力部門
¥170,000×(2回÷9回)
=¥37,778
※ 金額の小数第一位を四捨五入している。
第二次配賦
第二次配賦では、第一次配賦にて算出された補助部門費を製造部門費へ配賦する。
動力部門費
(配賦基準:機械稼働時間)
切削部門
¥37,778×(200時間÷250時間)
=¥30,222
組立部門
¥37,778×(50時間÷250時間)
=¥7,556
修繕部門
(配賦基準:修繕回数)
切削部門
¥10.769×(5回÷7回)
=¥7,692
組立部門
¥10.769×(2回÷7回)
=¥3,077
部門費配賦の仕訳
第一次配賦
切削部門
動力部門費¥215,385+修繕部門費¥94,444
=¥309,829
組立部門
動力部門費¥53,846+修繕部門費¥37,778
=¥91,624
動力部門
修繕部門費¥37,778
修繕部門
動力部門費¥10,769
第二次配賦
切削部門
動力部門費¥30,222+修繕部門費¥7,692
=¥37,914
組立部門
動力部門費¥7,556+修繕部門費¥3,077
=¥10,633
以上、相互配賦法による部門別原価計算について取り上げました。
コメント