2級工業簿記 2.5.5 個別原価計算 部門別原価計算表(相互配賦法)

本日は、部門別原価計算表(相互配賦法)について、執筆していきます。

 

相互配賦法とは

相互配賦法

補助部門費を配賦する際、補助部門相互間のやり取りを含めて配賦する方法をいう。

 

部門別原価計算表(相互配賦法)の作成

相互配賦法による部門別原価計算の手順

1 部門ごとにかかった費用を部門個別費として計上する。
(黄色部分)

2 部門共通費を配賦基準をもとに各部門に配賦する。
(水色部分)

3 各部門費の合計を算出する。
(緑色部分)

4 補助部門費を配賦基準をもとに各部門に配賦する。
(赤色部分)

ここでは、補助部門相互間の作業を反映させる。
これを第一次配賦という。

5 第一次配賦にて配賦された補助部門費を製造部門に配賦する。
(黄緑部分)
これを第二次配賦という。

6 製造部門費を算出する。
(灰色部分)

部門別原価計算表の例

 

例1 下記の資料を元に部門別原価計算表を完成させよう。
(¥未満四捨五入)

例2 補助部門費配賦時の仕訳を行おう。

 

解答

例1 部門別原価計算表の解答例

 

例2 部門費配賦の仕訳例

第一次配賦 
※¥未満四捨五入

(借方)切削部門 309,829

    組立部門  91,624

    動力部門 37,778

    修繕部門 10,749

  (貸方)動力部門 280,000    

      修繕部門 170,000

 

第二次配賦 
※¥未満四捨五入

(借方)切削部門 37,914

    組立部門 10,633  

   (貸方)動力部門 37,778    

       修繕部門 10,769

 

解説

1 部門共通費の配賦額

建物減価償却費
(配賦基準:従業員数)          

切削部門

¥500,000×(5人÷25人)
=¥100,000

組立部門

¥500,000×(15人÷25人)
=¥300,000

動力部門

¥500,000×(3人÷25人)
=¥60,000

修繕部門

¥500,000×(2人÷25人)
=¥40,000

 

機械減価償却費
(配賦基準:機械稼働時間)

切削部門

¥300,000×(200時間÷300時間)
=¥200,000

組立部門

¥300,000×(50時間÷300時間)
=¥50,000          

動力部門

¥300,000×(40時間÷300時間)
=¥40,000

修繕部門

¥300,000×(10時間÷300時間)
=¥10,000

 

福利厚生費
(配賦基準:従業員数)

切削部門

¥250,000×(5人÷25人)
=¥50,000

組立部門

¥250,000×(15人÷25人)
=¥150,000

動力部門

¥250,000×(3人÷25人)
=¥30,000

修繕部門

¥250,000×(2人÷25人)
=¥20,000

 

2 部門費の配賦

第一次配賦

第一次配賦では、補助部門費相互間の作業を考慮する。

動力部門費
(配賦基準:機械稼働時間)

切削部門

¥280,000×(200時間÷260時間)
=¥215,385 

組立部門

¥280,000×(50時間÷260時間)
=¥53,846          

修繕部門

¥280,000×(10時間÷260時間)
=¥10,769

※ 金額の小数第一位を四捨五入している。

 

修繕部門費
(配賦基準:修繕回数)

切削部門

¥170,000×(5回÷9回)
=¥94,444

組立部門

¥170,000×(2回÷9回)
=¥37,778

動力部門

¥170,000×(2回÷9回)
=¥37,778

※ 金額の小数第一位を四捨五入している。

 

第二次配賦

第二次配賦では、第一次配賦にて算出された補助部門費を製造部門費へ配賦する。

 

動力部門費
(配賦基準:機械稼働時間)

切削部門

¥37,778×(200時間÷250時間)
=¥30,222

組立部門

¥37,778×(50時間÷250時間)
=¥7,556 

 

修繕部門
(配賦基準:修繕回数)

切削部門

¥10.769×(5回÷7回)
=¥7,692

組立部門

¥10.769×(2回÷7回)
=¥3,077

 

部門費配賦の仕訳

第一次配賦

切削部門

動力部門費¥215,385+修繕部門費¥94,444
=¥309,829

組立部門

動力部門費¥53,846+修繕部門費¥37,778
=¥91,624

動力部門

修繕部門費¥37,778

修繕部門

動力部門費¥10,769

 

第二次配賦

切削部門

動力部門費¥30,222+修繕部門費¥7,692
=¥37,914

組立部門

動力部門費¥7,556+修繕部門費¥3,077
=¥10,633

 

以上、相互配賦法による部門別原価計算について取り上げました。

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