2級工業簿記 2.6.3 総合原価計算 単純総合原価計算表(平均法)の作成

本日は、単純総合原価計算(平均法)の作成について、執筆していきます。

 

単純総合原価計算表(平均法)の作成

例:小池工業株式会社は、単純総合原価計算を採用している。

以下のデータより

① 完成品総合原価と月末仕掛品原価を算出しよう。

② 完成品1個当たりの単価を算出しよう。

③ 単純総合原価計算表を作成しよう。

※ 完成品総合原価・月末仕掛品原価は小数第一位を四捨五入、完成品単価は小数第二位を四捨五入すること。

資料

1 生産データ

月初仕掛品 100個(80%)
当月投入  900個
合計    1,000個
月末仕掛品  50個(50%)
完成品   950個
※ ( )内は加工進捗度を表す。 

2 原価データ

A 月初仕掛品
・材料費 ¥100,000
・加工費 ¥200,000

B 当月製造原価
・材料費 ¥2,000,000
・加工費 ¥5,000,000

3 備考

・材料は製造着手後に全て投入している。
・原価の配分は平均法にて行う。

解答前の単純総合原価計算表

 

解答

① 完成品総合原価と月末仕掛品総合原価

完成品総合原価:¥7,140,833

材料費完成品原価¥1,995,000+加工費完成品原価¥5,145,833
=¥7,140,833

月末仕掛品総合原価:¥159,167

材料費月末仕掛品原価¥105,000+加工費月末仕掛品原価¥54,167
=¥159,167

 

② 完成品1個当たりの単価

完成品総合原価¥7,140,833÷完成品数量950個
=¥7,516.6/個

 

③ 単純総合原価計算表の解答

 

解説

イ 材料費の配分

問題の内容から読み取れることを下記に示す。

「材料は、製造着手後に全て投入している」
→加工進捗度0%の時点で材料を投入すると言う意味である。
 

A 総投入原価(材料費)の算出

月初仕掛品¥100,000+当月投入原価¥2,000,000
=¥2,100,000 

B 総投入数量の算出

月初仕掛品100個+当月投入数量900個
=1,000個

C 完成品材料費の金額算出

総製造原価¥2,100,000×(完成品数量950個÷総投入数量1,000個)
=¥1,995,000     

D 月末仕掛品の材料費算出

総製造原価¥2,100,000×(完成品数量50個÷総投入数量1,000個)
=¥105,000

 

ロ 加工費の算出

月初・月末仕掛品の加工費は加工進捗度を考慮し、完成品換算数量を算出する。

完成品換算数量は、下記の式にて求められる。

仕掛品個数×加工進捗度
=完成品換算数量

 

月初・月末仕掛品の完成品換算数量

月初仕掛品

仕掛品個数100個×加工進捗度80%
=完成品換算数量80個 

月末仕掛品

仕掛品個数50個×加工進捗度50%=完成品換算数量10個

 

A 総投入原価(加工費)の算出

月初仕掛品¥200,000+当月投入原価¥5,000,000
=¥5,200,000

B 総投入数量の算出

月初仕掛品数量80個+当月投入数量880個
=960個

当月投入数量の算出

完成品数量950個+月末仕掛品完成品換算数量10個−月初仕掛品完成品換算数量80個
=960個

C 完成品加工費の金額算出

総投入原価¥5,200,000×(完成品数量950個÷総投入数量960個)
=¥5,145,833 

D 月末仕掛品の加工費算出

総製造原価¥5,200,000×(完成品換算数量10個÷総投入数量960個)
=¥54,167
    

これらをまとめたボックス図は、次のとおりである。

以上、単純総合原価計算表の作成(平均法)について取り上げました。

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