本日は、組別総合原価計算表(先入先出法)の作成について、執筆していきます。
組別総合原価計算表(先入先出法)の作成
例題をもとに組別総合原価計算表を作成していこう。
例:沖縄工業株式会社は製品A・Bを同一製造工程にて製造しており、組別総合原価計算を採用している。
問1 下記の問いに答えよう。ただし、( )内の指示に従うこと。
イ 製品A ・Bの完成品総合原価(小数第一位を四捨五入)
ロ 製品A・Bの月末仕掛品総合原価(小数第一位を四捨五入)
ハ 製品A・Bの完成品単価(小数第二位を四捨五入)
問2 組別総合原価計算表を作成しよう
資料
A 生産データ
B 原価データ
※ 加工費(組間接費)¥7,500,000は直接作業時間をもとに配賦する。
組別の直接作業時間は下記のとおりである。
製品A組:200時間
製品B組:100時間
C 備考
イ 材料はすべて工程の始点にて投入している。
ロ 月末仕掛品原価の算出は先入先出法にて行う。
組別総合原価計算表(解答用)
解答
問1
イ 製品A ・Bの完成品総合原価
製品A:¥7,322,857
製品B:¥3,668,472
ロ 製品A・Bの月末仕掛品総合原価
製品A:¥777,143
製品B:¥388,571
ハ 製品A・Bの完成品単価
製品A:¥66,571.4/個
製品B:¥16,674.7/個
問2
組別総合原価計算表の作成
解説
必要なデータは下記のとおりである。
イ 加工費(組間接費)の配賦額
製品A組
¥7,500,000×製品A組の直接作業時間200時間÷総直接作業時間300時間
=¥5,000,000
製品B組
¥7,500,000×製品B組の直接作業時間100時間÷総直接作業時間300時間
=¥2,500,000
ロ 総投入数量と総製造費用・完成品単価の算出
製品A組
製品A組の総勘定元帳
製品A組の加工費の月初・月末仕掛品の換算数量
月初仕掛品:30個×20%=6個
月末仕掛品:20個×40%=8個
製品A組の完成品総合原価
イ 材料費
A 月初仕掛品
原価:¥300,000
数量:30個
B 月初仕掛品を除いた完成品総合原価
当月投入原価¥2,100,000×((完成品数量110個-月初仕掛品数量30個)÷当月投入数量100個)
=¥1,680,000
A+B=¥1,980,000
ロ 加工費
A 月初仕掛品
原価:¥700,000
換算数量:6個
B 月初仕掛品を除いた完成品総合原価
当月投入原価¥5,000,000×(完成品数量110個-月初仕掛品換算数量6個)÷当月投入換算数量112個
=¥4,642,857
A+B=¥5,342,857
材料費¥1,980,000+加工費¥5,342,857
=¥7,322,857
製品A組の月末仕掛品総合原価
イ 材料費
当月投入原価¥2,100,000×(月末仕掛品数量20個÷当月投入数量100個)
=¥420,000
ロ 加工費
当月投入原価¥5,000,000×(月末仕掛品換算数量8個÷総投入換算数量112個)
=¥357,143
材料費¥420,000+加工費¥357,142=¥777,143
製品A組の完成品単価
完成品原価¥7,322,857÷完成品個数110個
=¥66,571.4/個
製品B組
製品B組の総勘定元帳
製品B組の加工費の月初・月末仕掛品の換算数量
月初仕掛品:60個×20%=12個
月末仕掛品:40個×40%=16個
製品B組の完成品総合原価
イ 材料費
A 月初仕掛品
原価:¥150,000
数量:60個
B 月初仕掛品を除いた完成品総合原価
当月投入原価¥1,050,000×((完成品数量220個-月初仕掛品数量60個)÷当月投入数量200個)
=¥840,000
A+B=¥990,000
ロ 加工費
A 月初仕掛品
原価:¥350,000
換算数量:12個
B 月初仕掛品を除いた完成品総合原価
当月投入原価¥2,500,000×((完成品数量220個-月初仕掛品換算数量 12個)÷当月投入換算数量224個)
=¥2,321,428
A+B=¥2,671,428
材料費¥990,000+加工費¥2,678,428
=¥3,668,428
製品B組の月末仕掛品総合原価
イ 材料費
当月投入原価¥1,050,000×(月末仕掛品数量40個÷当月投入数量200個)
=¥210,000
ロ 加工費
当月投入原価¥2,500,000×(月末仕掛品換算数量16個÷当月投入換算数量224個)
=¥178,571
材料費¥210,000+加工費¥178,571
=¥388,571
製品B組の完成品単価
完成品原価¥3,668,428÷完成品個数220個
=¥16,674.7/個
以上、組別総合原価計算表(先入先出法)の作成について取り上げました。
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