みなさん、こんばんは。
本日は、外貨建取引の説明・仕訳を執筆していきます。
外貨建取引とは
外貨建取引・・・自国の通貨(日本の場合は円)以外を用いて代金のやり取りを行う取引をいう。
外国の企業と取引をする際は、相手国の通貨(ドルやユーロなど)を用いて取引を行う。
→為替によって円の支払額が変動する。
為替・・・外国の通貨を日本円に換算したときの数値をいう。
例として、
1$(ドル)→¥100を基準とした場合、
1$→¥90になった場合は、円高・ドル安である。
また、1$→¥110になった場合は、円安・ドル高である。
為替は、毎日変動するのが基本である。
為替の仕組み
外貨建取引の特徴
外貨建取引の大きな特徴として、下記が挙げられる。
商品等の受け渡しと代金受け渡しのタイミングが異なる場合、日本円での受け取り額・支払額が違ってくる。
ただし、後ほど取り上げる為替予約時は除く。
外貨建取引に関する仕訳(支払時)
例題をもとに仕訳を見ていこう。
例1 ○1年10月1日 水戸産業株式会社は、商品を$5,000で購入し、代金は月末に支払うこととなった。
なお、この時点での為替レートは1$あたり¥110である。
(借方)仕入 550,000
(貸方)買掛金 550,000
現在の為替レート:1$あたり¥110
商品$5,000を日本円に直すと・・・
$5,000×¥110=¥550,000
→日本円に換算した商品の仕入額である。
この金額を利用して上記の仕訳を行う。
例2 ○1年10月31日 例1で計上した買掛金を当座預金にて支払った。
なお、この時点での為替レートは1$あたり¥105である。
(借方)買掛金 550,000
(貸方)当座預金 525,000
為替差益 25,000
・買掛金の減少額→仕入れ時に計上した額と同様である。
・買掛金の支払額→$5,000×買掛金支払時の為替レート¥105=¥525,000
・為替レートの差額処理
商品の仕入れ時の為替レート→1$あたり¥110
買掛金支払い時の為替レート→1$あたり¥105
上記より、1$あたり¥5 円高であることがわかる。
買掛金支払時に、為替レートが下がる
→支払額が少なくなるため、差額は利益となる。
よって、差額は為替の変動による利益であるため、為替差益勘定(収益の勘定)を使用し、処理する。
・為替差益の算出
$5,000×(買掛金発生時の為替レート¥110-買掛金支払時の為替レート¥105)→¥25,000
例3 仮に買掛金支払時の為替レートが1$あたり¥115である場合、例1で発生した買掛金支払時の仕訳を答えよう。なお、支払いは当座預金にて行うこととする。
(借方)買掛金 550,000
為替差損 25,000
(貸方)当座預金 575,000
・買掛金の減少額→仕入れ時に計上した額と同様である。
・買掛金の支払額→$5,000×買掛金支払時の為替レート¥115=¥575,000
・為替レートの差額処理
商品の仕入れ時の為替レート→1$あたり¥110
買掛金支払い時の為替レート→1$あたり¥115
上記より、1$あたり¥5 円安であることがわかる。
買掛金支払時に、為替レートが上がる。
→支払額が多くなるため、差額は損失となる。
よって、差額は為替の変動による損失であるため、為替差損勘定(費用の勘定)を使用し、処理する。
・為替差損の算出
$5,000×(買掛金発生時の為替レート¥110-買掛金支払時の為替レート¥115)→-¥25,000
マイナス→損失ということになる。
※為替差益、為替差損はまとめて為替差損益にて処理することもある。
外貨建取引に関する仕訳(受取時)
例題をもとに仕訳を見ていこう。
例1 ○1年10月1日 水戸産業株式会社は、商品を$5,000で売り渡し、代金は月末に受け取ることとなった。
なお、この時点での為替レートは1$あたり¥110である。
(借方)売掛金 550,000
(貸方)売上 550,000
・現在の為替レート:1$あたり¥110
商品$5,000を日本円に直すと・・・
$5,000×¥110=¥550,000
→日本円に換算した商品の売上げ額である。
この金額を利用して上記の仕訳を行う。
例2 ○1年10月31日 例1で計上した売掛金の代金を小切手にて受け取り、ただちに当座預金口座へ振り込んだ。
なお、この時点での為替レートは1$あたり¥115である。
(借方)当座預金 575,000
(貸方)売掛金 550,000
為替差益 25,000
・売掛金の減少額→売上げ時に計上した額と同様である。
・売掛金の受取額→$5,000×売掛金受取時の為替レート¥115=¥575,000
・為替差益の算出
$5,000×(売掛金受取時の為替レート¥115-売掛金発生時の為替レート¥110)→¥25,000
例3 仮に買掛金支払時の為替レートが1$あたり¥105である場合の例1で発生した売掛金受取時の仕訳を答えよう。なお、受取は当座預金にて行うこととする。
(借方)当座預金 525,000
為替差損 25,000
(貸方)当座預金 550,000
・売掛金の減少額→売上げ時に計上した額と同様である。
・売掛金の受取額→$5,000×売掛金受取時の為替レート¥105=¥525,000
・為替レートの差額処理
商品売上時の為替レート→1$あたり¥110
売掛金受取時の為替レート→1$あたり¥105
上記より、1$あたり¥5 円高であることがわかる。
売掛金受取時に、為替レートが下がる
→売上額が少なくなるため、差額は損失となる。
よって、差額は為替の変動による損失であるため、為替差損勘定(費用の勘定)を使用し、処理する。
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