みなさん、こんばんは。
本日は、為替予約と決算時の処理について、執筆していきます。
為替予約とは
為替予約・・・商品等の売買取引の際に、あらかじめ為替レートを定めること。
この場合、現時点での為替レートではなく、定めた為替レートを用いて代金の受払を行う。
例えば、1$¥110で為替予約を行った場合、売買契約から引き渡しまで、1$¥110で取引される。
為替予約がある外貨建取引の仕訳
例題をもとに仕訳を見ていこう。
例1 商品を$5,000で仕入れた。ただし、為替レートは1$あたり¥110で為替予約している。ただし、この時点の為替レートは1$あたり¥115である。
(借方)仕入 550,000
(貸方)買掛金 550,000
為替予約がされている→現時点の為替レートは関係ない
よって、$5,000×為替予約時の為替レート¥110→¥550,000
この金額が、商品の仕入額(円換算)である。
例2 例1の買掛金を現金で支払った。
ただし、この時点での為替レートは1$あたり¥112である。
(借方)買掛金 550,000
(貸方)現金 550,000
例1での取引は為替予約がされている→現時点の為替レートは関係ない。
よって、$5,000×為替予約時の為替レート¥110→¥550,000
この金額が、買掛金支払額(円換算)である。
ここでは、代金を支払うパターンを例に挙げたが、代金を受け取るパターンの場合も同様の処理を行う。
決算時の外貨建取引の評価替え
決算時よりも後に代金の受け払いが行われる場合、為替レートの変動分を時価にて評価する。
詳細については、仕訳例の解説にて示す。
例題をもとに仕訳を見ていこう。
例 決算にあたり、為替レートの時価評価を行った。ただし、現時点の為替レートは1$あたり¥105である。
イ 商品$5,000掛け仕入分の為替レートの評価替えを行う。なお、仕入時点の為替レートは1$あたり¥100である。
(借方)為替差損 25,000
(貸方)買掛金 25,000
代金支払いの場合・・・
為替レートか上がる→為替の差による損失(為替差損)が発生する。
為替レートが下がる→為替の差による利益(為替差益)が発生する。
上記の場合、決算時の為替レートが仕入時の為替レートを1$あたり¥5上回る
→$5,000×¥5=¥25,000の為替差損が発生する。
ロ 商品$5,000掛け売上分の為替レートの評価替えを行う。なお、売上時点の為替レートは1$あたり¥100である。
(借方)売掛金 25,000
(貸方)為替差益 25,000
代金受け取りの場合・・・
為替レートか上がる→為替の差による利益(為替差益)が発生する。
為替レートが下がる→為替の差による損失(為替差損)が発生する。
上記の場合、決算時の為替レートが仕入時の為替レートを1$あたり¥5上回る
→$5,000×¥5=¥25,000の為替差益が発生する。
※ただし、為替予約が行われている場合は、為替レートの変動分の評価替えは実施しない。
理由:商品等の売買契約の時点であらかじめ為替レートを取り決めているため、為替レートの変動を考える必要がないため。
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