2級商業簿記 5.1.3 本支店会計 本支店合併の決算

みなさん、こんばんは。

本日は、本支店合併の決算について、執筆していきます。

 

本支店合併時の決算処理

本支店合併時の決算の流れは、以下の通りである。

1 本店・支店それぞれの決算整理前残高試算表の作成

2 決算事項等の整理
未達事項の整理、内部利益の控除、決算整理仕訳などがある。
なお、未達事項の整理・内部利益の控除については、別途取り上げる。

3 本店・支店それぞれの決算整理前残高試算表の作成

4 本支店合併の損益勘定の作成

5 本支店合併の財務諸表の作成

 

未達事項・・・本店と支店の取引のうち、どちらか一方に取引内容が未達である取引のことを言う。

パターンとして、下記が挙げられる。

・本店では記帳したが、支店に未達である。

・支店では記帳したが、本店に未達である。

未達事項を整理すると、本店の「支店」勘定と支店の「本店」勘定の金額は一致する。
また、本店の「支店へ売上」勘定と支店の「本店より仕入」勘定の金額も一致する。
よって、これらの金額は相殺する必要がある。

 

内部利益・・・本店から支店に商品を送付する場合に、上乗せしている利益をいう。
内部利益の目的として、商品の販売実績を把握する 等がある。
内部利益は、企業内でつけているものである。
→外部へ公表する財務諸表からは消去する必要がある。

内部利益の仕組み

商品送付の際に、利益を付加して行っている。

よって、送付した商品の金額は 
商品仕入れ値+内部利益 となる。

内部利益は本店より送付された商品すべてに含まれている。
よって、期首商品と期末商品にも含まれている。

次に、内部利益控除に関する仕訳を取り上げる。

期首商品の内部利益の控除

(借方)繰延内部利益 〇〇〇

(貸方)繰延内部利益戻入 〇〇〇

この仕訳は、期首商品の金額を減少させる仕訳である。

期首商品が減少する
→当期の売上原価が減少する。         
→利益の割合が多くなる。

なぜ、売上原価が減少するのか

期首商品→売上原価に含めるものである。

内部利益が含まれている分、売上原価が多く計上される。
よって、控除することにより、売上原価が減少する。

期末商品の内部利益の控除

(借方)繰延内部利益控除 △△△

(貸方)繰延内部利益 △△△

この仕訳は、期末商品の金額を減少させる仕訳である。

期末商品が減少する
→当期の売上原価が増加する。
→利益の割合が少なくなる。

なぜ、売上原価が増加するのか

期末商品→売上原価よりなくすものである。

内部利益が含まれている分、売上原価が少なく計上される。
よって、控除することにより、売上原価が減少する。

 

本支店合併時の財務諸表の作成

例題を元に、本支店合併の損益計算書・貸借対照表を作成しよう。

決算整理前残高試算表

解答前の損益計算書と貸借対照表

決算整理事項等

1 期末商品棚卸高 
本店:¥90,000 
支店:¥20,000(うち、本店より仕入分¥10,500)
なお、本店から支店に送付する商品は、利益率5%を含んで送付している。

2 建物の減価償却は定額法(耐用年数20年、残存価額ゼロ)で計算する。
なお、建物のうち1/3は支店の管理のために使用されているものである。

3 貸倒引当金は、売上債権の1%を差額補充法にて設定する。

4 給料の未払い分が、以下の通りある。
 本社:¥10,000
 支店:¥15,000

5 本店の広告費の未払いが¥15,000ある。このうち¥6,000は支店に関わるものである。

6 その他有価証券はC社の株式であり、期末の評価額は¥60,000である。全部純資産直入法により評価替えを行ったが、税法上では、その他有価証券の評価替えは認められていない。法人税率は40%とする。

7 販売費の前払分が、下記の通りある。
 本店:¥5,000
 支店:¥8,000

8 税引前当期純利益の40%を法人税・住民税及び事業税として計上する。

解答(損益計算書と貸借対照表)

未達事項の整理
未達事項はないため、なし

本店の「支店へ売上」勘定と、支店の「本店より仕入」勘定の相殺仕訳

(借方)支店へ売上 25,000

  (貸方)本店より仕入 25,000

本店の「支店」勘定と、支店の「本店」勘定の相殺仕訳

(借方)支店 114,250

   (貸方)本店 114,250

 

決算整理事項等

1 期末商品棚卸高 

本店:¥90,000

本店

(借方)仕入 60,000

    繰越商品 90,000

   (貸方)繰越商品 60,000

       仕入 90,000

 

支店:¥20,000(うち、本店より仕入分¥10,500)
なお、本店から支店に送付する商品は、利益率5%を含んで送付している。

支店

(借方)仕入 30,000

    繰越商品 20,000

   (貸方)繰越商品 30,000

       仕入 20,000

内部利益の控除

支店

(借方)繰延内部利益 1,000

    繰延内部利益控除 500

   (貸方)繰延内部利益戻入 1,000

       繰延内部利益 500

 

2 建物の減価償却は定額法(耐用年数20年、残存価額ゼロ)で計算する。
なお、建物のうち1/3は支店の管理のために使用されているものである。

本店 支店使用分の建物振り替え

(借方)支店 50,000

   (貸方)建物 50,000

本店 減価償却費の計上

(借方)減価償却費 5,000

   (貸方)建物減価償却累計額 5,000

建物の取得原価:¥100,000
(取得原価¥100,000-残存価額¥0)÷耐用年数20年=¥5,000

支店 本店より建物受取

(借方)建物 50,000

   (貸方)本店 50,000
 
支店 減価償却費の計上

(借方)減価償却費 2,500

   (貸方)建物減価償却累計額 2,500

建物の取得原価:¥50,000
(取得原価¥50,000-残存価額¥0)÷耐用年数20年=¥2,500

 

3 貸倒引当金は、売上債権の1%を差額補充法にて設定する。

本店

(借方)貸倒引当金繰入 250

   (貸方)貸倒引当金 250

(受取手形¥90,000+売掛金¥60,000+電子記録債権¥50,000)×1%=¥2,000

差額補充法であるため、
¥2,000ー¥1,750=¥250

支店

(借方)貸倒引当金繰入 800

   (貸方)貸倒引当金 800

(受取手形¥80,000+売掛金¥60,000+電子記録債権¥40,000)×1%=¥1,800

差額補充法であるため、
¥1,800ー¥1,000=¥800

 

4 給料の未払い分が、以下の通りある。
本店:¥10,000 
支店:¥15,000

本店

(借方)給料 10,000

   (貸方)未払費用 10,000
 
支店

(借方)給料 15,000

   (貸方)未払費用 15,000

 

5 本店の広告費の未払いが¥15,000ある。このうち¥6,000は支店に関わるものである。

本店

(借方)広告料 9,000

    支店 6,000

   (貸方)未払費用 15,000

支店

(借方)広告料 6,000

   (貸方)本店 6,000

 

6 その他有価証券はC社の株式であり、期末の評価額は¥60,000である。全部純資産直入法により評価替えを行ったが、税法上では、その他有価証券の評価替えは認められていない。法人税率は40%とする。

本店

(借方)その他有価証券 10,000

   (貸方)その他有価証券評価差額金 6,000

       繰延税金負債 4,000

支店 仕訳なし

その他有価証券に関する税効果会計
一時差異で発生する金額は、その他有価証券評価差額金より増減 させる。

増加したその他有価証券の金額¥10,000×40%=¥4,000
→繰延税金負債として計上する。
(現在は税金を払わなくてもいいが、後ほど払う必要があるため)

残額は、その他有価証券評価差額金にて処理する。

 

7 販売費の前払分が、下記の通りある。
本店:¥5,000
支店:¥8,000

本店

(借方)前払費用 5,000

   (貸方)販売費 5,000

支店

(借方)前払費用 8,000

   (貸方)販売費 8,000

 

8 税引前当期純利益の40%を法人税・住民税及び事業税として
計上する。

(借方)法人税等 35,280

   (貸方)未払法人税等 35,280

税引前当期純利益¥88,200×40%=¥35,280
→法人税・住民税及び事業税となる

 

 

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