本日は、材料の消費について執筆していきます。
材料費の種類
材料費には、直接材料費と間接材料費がある。
直接材料費
ある製品のために直接消費される材料の費用をいう。
間接材料費
他の製品と共通で消費される材料の費用をいう。
材料費計上に関する仕訳(実際価格)
直接材料費を計上する場合
直接材料費を計上するときは、仕掛品勘定(資産の勘定)を使用し、処理する。
仕掛品
製造している途中の未完成の製品をいう。
例 高木工業株式会社は、製品Aを製造するために素材Aを50kg @¥200を使用した。
(借方)仕掛品 10,000
(貸方)材料 10,000
材料の消費額
¥200×50kg=¥10,000
間接材料費を計上する場合
間接材料費を計上するときは、製造間接費(費用の勘定)を使用し、処理する。
例:茨城工業株式会社は、製品B製造のため止めねじ100本 @¥40を使用した。
ただし、止めねじは他製品でも利用している。
(借方)製造間接費 4,000
(貸方)材料 4,000
材料の消費額
¥40×100本=¥4,000
材料費計上に関する仕訳(予定価格)
予定価格
あらかじめ予想した価格をいう。
実際には、会計年度の初めに定められる。
予定価格を採用する目的
製造原価を早期に把握するため。
材料の払出単価は常に一定であるため、早期に価格を反映することができる。
材料の購入価格による影響を受けないようにするため。
購入単価が変動することにより、材料の消費能率がわかりにくくなる。
予定価格の場合、材料の単価は常に一定であるため、材料の消費能率をすぐに反映することができる。
消費能率
消費量が標準使用量より多かったか、少なかったかという意味
A 材料を消費した時
材料を消費した場合は、通常の材料消費時の仕訳と同様である。
例1:直接材料として材料Aを500kg消費した。
なお、当社では予定価格を採用しており、材料Aの予定単価は¥230/kgである。
(借方) 仕掛品 115,000
(貸方) 材料 115,000
材料消費額=¥230×500個=¥115,000
例2:間接材料として材料Bを10個消費した。
なお、当社では予定価格を採用しており、材料Bの予定単価は¥500/個である。
(借方) 製造間接費 5,000
(貸方) 材料 5,000
材料消費額=¥500×10=¥5,000
B 予定価格と実際価格の差額計上
予定価額と実際価額の差額を計上する際は、材料消費価格差異勘定を使用し処理する。
・予定価格が実際価格を上回った場合。(予定価額>実際価額)
材料消費価格差異を貸方に記入し、処理する。
・予定価格が実際価格を下回った場合。(予定価格<実際価格)
材料消費価格差異を借方に記入し、処理する。
例1:月末になり材料Aの実際価格が¥225/個であることが判明した。なお、予定単価は¥230/個である。
(借方) 材料 2,500
(貸方) 材料消費価格差異 2,500
材料消費価格差異=(¥230-¥225)×500kg=¥2,500
予定価格が実際価格を上回っている。
この場合、材料消費価格差異が貸方にあるため、貸方差異という。
また、実際の材料費が予定価格よりを安かったため節約できたことになり、原価に有利となっている。
→有利差異ともいう。
例2:月末になり材料Bの実際価格が¥510/個であることが判明した。なお、予定単価は¥500/個である。
(借方) 材料消費価格差異 100
(貸方) 材料 100
材料消費価格差異=(¥500-¥510)×10個=-¥100
予定価格が実際価格を下回っている。
この場合、材料消費価格差異が借方にあるため、借方差異という。
また、実際の材料費が予定価格よりを高かったため、
余分に費用が発生し、原価に不利となっている
→不利差異ともいう。
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