2級商業簿記 2.4.3 期中取引 固定資産 除却と廃棄

本日は、固定資産の除却と廃棄について、執筆していきます。

 

除却・廃棄とは

除却

現在使用していない固定資産を事業用途から取り除くことをいう。
→固定資産自体は残る。

廃棄

現在使用していない固定資産を処分することをいう。
→固定資産は残らない。

 

除却に関する仕訳

例 酒田商会株式会社(決算日:3月31日)は、○5年6月30日に書類用棚を除却することとした。
なお、備品の処分価値は¥30,000と見積もられた。

上記備品のデータは下記の通りである。
購入日 :○2年4月1日
取得価額:¥300,000
耐用年数:5年
減価償却費の記帳:間接法

解答

(借方)備品減価償却累計額 
    180,000     

    減価償却費 15,000

    貯蔵品 30,000

    固定資産除却損 75,000   

  (貸方)備品 300,000

 

解説

1 備品減価償却累計額の金額

○2年4月1日〜○5年3月31日までの金額を算出する。      

¥300,000×(経過月数36ヶ月÷耐用年数60ヶ月(5年))
=¥180,000  

 

2 減価償却費の金額

当期分(○5年4月1日〜○5年6月30日)を算出する。

¥300,000×(経過月数3ヶ月÷耐用年数60ヶ月(5年))
=¥15,000  

 

3 処分価値の計上

処分価値分を計上する際は、貯蔵品勘定(資産の勘定)を使用し、処理する。

貯蔵品=¥30,000

 

4 固定資産除却損益の計上

・除却時点の固定資産の価値>処分価値
→固定資産除却損(費用の勘定)

・除却時点の固定資産の価値<処分価値
→固定資産除却益(収益の勘定)

を使用し、処理する。

 

例題の仕訳の場合・・・

A 固定資産の取得価額 ¥300,000

B 減価償却累計額 ¥180,000

C 減価償却費 ¥ 15,000

A-(B+C)=¥105,000←現在価値

処分価値 =¥30,000

現在価値>処分価値であるため、
固定資産除却損となる。

 

廃棄に関する仕訳

例 酒田商会株式会社(決算日:3月31日)は、○5年6月30日に書類用棚を廃棄することとした。
廃棄に伴う費用¥10,000は現金にて支払った。

上記備品のデータは下記の通りである。
購入日 :○2年4月1日
取得価額:¥300,000
耐用年数:5年
減価償却費の記帳:間接法

解答

(借方)備品減価償却累計額 
    180,000     

    減価償却費 15,000     

    固定資産廃棄損 115,000   

  (貸方)備品 300,000       

      現金  10,000

 

解説

1 備品減価償却累計額の金額

○2年4月1日〜○5年3月31日までの金額を算出する。

¥300,000×(経過月数36ヶ月÷耐用年数60ヶ月(5年))
=¥180,000

 

2 減価償却費の金額

当期分(○5年4月1日〜○5年6月30日)を算出する。

¥300,000×(経過月数3ヶ月÷耐用年数60ヶ月(5年))
=¥15,000

 

3 固定資産廃棄による損失の計上

廃棄による損失を計上する際は、固定資産廃棄損勘定(費用の勘定)を使用し、処理する。
また、処分費用などは固定資産廃棄損に含める。

 

例題の仕訳の場合・・・

A 固定資産の取得価額 ¥300,000

B 備品減価償却累計額  ¥180,000

C 減価償却費 ¥ 15,000

D 固定資産の廃棄費用 =¥10,000

A-(B+C)=¥105,000←現在価値

現在価値¥105,000+廃棄費用¥10,000
=固定資産廃棄損は¥115,000となる。

 

4 貸方金額の計上

備品の取得原価¥300,000と現金¥10,000(廃棄費用分)を計上する。

 

以上、固定資産の除却・廃棄について取り上げました。

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