本日は、固定資産の除却と廃棄について、執筆していきます。
除却・廃棄とは
除却
現在使用していない固定資産を事業用途から取り除くことをいう。
→固定資産自体は残る。
廃棄
現在使用していない固定資産を処分することをいう。
→固定資産は残らない。
除却に関する仕訳
例 酒田商会株式会社(決算日:3月31日)は、○5年6月30日に書類用棚を除却することとした。
なお、備品の処分価値は¥30,000と見積もられた。
上記備品のデータは下記の通りである。
購入日 :○2年4月1日
取得価額:¥300,000
耐用年数:5年
減価償却費の記帳:間接法
解答
(借方)備品減価償却累計額
180,000
減価償却費 15,000
貯蔵品 30,000
固定資産除却損 75,000
(貸方)備品 300,000
解説
1 備品減価償却累計額の金額
○2年4月1日〜○5年3月31日までの金額を算出する。
¥300,000×(経過月数36ヶ月÷耐用年数60ヶ月(5年))
=¥180,000
2 減価償却費の金額
当期分(○5年4月1日〜○5年6月30日)を算出する。
¥300,000×(経過月数3ヶ月÷耐用年数60ヶ月(5年))
=¥15,000
3 処分価値の計上
処分価値分を計上する際は、貯蔵品勘定(資産の勘定)を使用し、処理する。
貯蔵品=¥30,000
4 固定資産除却損益の計上
・除却時点の固定資産の価値>処分価値
→固定資産除却損(費用の勘定)
・除却時点の固定資産の価値<処分価値
→固定資産除却益(収益の勘定)
を使用し、処理する。
例題の仕訳の場合・・・
A 固定資産の取得価額 ¥300,000
B 減価償却累計額 ¥180,000
C 減価償却費 ¥ 15,000
A-(B+C)=¥105,000←現在価値
処分価値 =¥30,000
現在価値>処分価値であるため、
固定資産除却損となる。
廃棄に関する仕訳
例 酒田商会株式会社(決算日:3月31日)は、○5年6月30日に書類用棚を廃棄することとした。
廃棄に伴う費用¥10,000は現金にて支払った。
上記備品のデータは下記の通りである。
購入日 :○2年4月1日
取得価額:¥300,000
耐用年数:5年
減価償却費の記帳:間接法
解答
(借方)備品減価償却累計額
180,000
減価償却費 15,000
固定資産廃棄損 115,000
(貸方)備品 300,000
現金 10,000
解説
1 備品減価償却累計額の金額
○2年4月1日〜○5年3月31日までの金額を算出する。
¥300,000×(経過月数36ヶ月÷耐用年数60ヶ月(5年))
=¥180,000
2 減価償却費の金額
当期分(○5年4月1日〜○5年6月30日)を算出する。
¥300,000×(経過月数3ヶ月÷耐用年数60ヶ月(5年))
=¥15,000
3 固定資産廃棄による損失の計上
廃棄による損失を計上する際は、固定資産廃棄損勘定(費用の勘定)を使用し、処理する。
また、処分費用などは固定資産廃棄損に含める。
例題の仕訳の場合・・・
A 固定資産の取得価額 ¥300,000
B 備品減価償却累計額 ¥180,000
C 減価償却費 ¥ 15,000
D 固定資産の廃棄費用 =¥10,000
A-(B+C)=¥105,000←現在価値
現在価値¥105,000+廃棄費用¥10,000
=固定資産廃棄損は¥115,000となる。
4 貸方金額の計上
備品の取得原価¥300,000と現金¥10,000(廃棄費用分)を計上する。
以上、固定資産の除却・廃棄について取り上げました。
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