みなさん、こんばんは。
本日は、株主資本等変動計算書の作成について執筆していきます。
株主資本等変動計算書とは
株主資本等変動計算書・・・株主資本が期首〜期末までの間にどのように変動したかを記帳する帳簿をいう。
貸借対照表の純資産の部の項目からは増減を把握することができないため作成するのも理由のひとつである。
株主資本変動計算書の見本を下記に示す。
株主資本等変動計算書の作成
例:水戸商会株式会社の今期の純資産に関する取引は下記のとおりであった。よって、取引の仕訳と株主資本等変動計算書を作成しよう。なお、会計期間は4/1〜3/31までである。
解答前の株主資本等変動計算書
〇2年4月1日 増資のため株式1,000株(1株あたり¥1,000)を発行し、払込金は全額当座預金とした。
なお、会社法が定める最低額を資本金とし、残額は資本準備金として計上した。
(借方)当座預金 1,000,000
(貸方)資本金 500,000
資本準備金 500,000
・払込金→¥1,000×1,000株=¥1,000,000
・資本金→払込金の1/2の額を最低計上する。
¥1,000,000×1/2=¥500,000
→資本金と資本準備金として計上する。
〇2年6月30日 繰越利益剰余金を下記のとおり処分した。
・配当金:¥500,000
・利益準備金:会社法が定める額
・新築積立金:¥500,000
(借方)繰越利益剰余金 1,050,000
(貸方)未払配当金 500,000
利益準備金 50,000
新築積立金 500,000
・利益準備金→資本金の1/4の額に達するまで、配当金の1/10を積み立てる。
・株主資本変動計算書より…
期首の資本金の1/4→¥1,000,000×1/4=¥250,000・・・A
期首の利益準備金=¥100,000・・・B
A―B=¥150,000・・・資本金の1/4に達するまでの金額
配当金の1/10→¥500,000×1/10=¥50,000
上記より、配当金の1/10の金額¥50,000のほうが少ないため、¥50,000を利益準備金として計上する。
・未払配当金、新築積立金は問題文の金額をそのまま計上する。
○2年10月1日に 我妻株式会社を吸収合併し、対価として自社の株式500株(1株あたり¥1,050)を交付し、全額資本金とした。
なお、我妻株式会社の諸資産は¥1,000,000、諸負債は¥500,000である。
(借方)諸資産 1,000,000
のれん 25,000
(貸方)諸負債 500,000
資本金 525,000
・諸資産¥1,000,000―諸負債¥500,000=純資産¥500,000・・・A
→純資産¥500,000が我妻株式会社の企業価値である。
・買収の対価は自社株式→増資に準ずる記帳を行う。
¥1,050×500株=¥525,000→資本金の額・・・B
A―B=¥25,000(資本金の額が上回る)
交付した株式の額が¥25,000上回っているため、差額はのれんとして計上する。
○3年3月31日 決算にて下記事項が判明した。
A その他有価証券証券の時価は¥1,300,000であった。
ただし、期首の時価は¥1,280,000であり、全部純資産直入法を用いる。
(借方)その他有価証券 20,000
(貸方)その他有価証券評価差額金 20,000
B 当期純利益は¥1,000,000であった。
(借方)損益 1,000,000
(貸方)繰越利益剰余金 1,000,000
株主資本変動計算書の解答(赤字部分が記入部)
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