みなさん、こんばんは
本日は、固定資産の買い替え・滅失について、執筆していきます。
買い替え・滅失とは
買い換え・・・現在保有している固定資産を新しい固定資産に買い換えること。
滅失・・・突発的な理由で物等がなくなること。
固定資産の滅失→自然災害など突発的な理由で固定資産がなくなることをいう。
買い替えに関する仕訳
減価償却費の記帳方法が間接法の場合
例:水戸物産株式会社(決算日:3月31日)○4年6月1日に、営業用の車両¥1,000,000を買い替えのため購入し、代金のうち ¥100,000は旧車両の売却金を充当し、残額は約束手形を振り出して支払った。
なお、買い換え前の車両に関するデータは下記のとおりである。
・取得価格:¥800,000
・残存価格:ゼロ
・予定総走行距離:100,000km
・現在までの走行距離:90,000km
(うち、当期首までの走行距離:88,000km)
・購入日:○1年4月1日
・記帳方法:間接法
・償却方法:生産高比例法
解答
(借方)車両 1,000,000
減価償却費 16,000
(貸方)車両 96,000
営業外支払手形 900,000
固定資産売却益 20,000
解説
・買い替え前車両1kmあたりの減価償却費
¥800,000÷100,000km=¥8/km
・取得から前期末までの減価償却累計額
¥8×88,000km=¥704,000
→車両減価償却累計額勘定で処理
・当期首から買い替えまでの減価償却費
¥8×2,000km=¥16,000
→減価償却費勘定で計上
(当期の減価償却費は計上していないため、計上)
・現時点の旧車両の価格
¥800,000-(¥704,000+¥16,000)=¥80,000
旧型車両の売却額は¥100,000であるため、差額の¥20,000は固定資産売却益勘定にて処理する。
減価償却費の記帳方法が直接法の場合。
例:友部物産株式会社(決算日:3月31日)○4年6月1日に、営業用の車両¥1,000,000を買い替えのため購入し、代金のうち¥100,000は旧車両の売却金を充当し、残額は約束手形を振り出して支払った。
なお、買い換え前の車両に関するデータは下記のとおりである。
解答
(借方)車両 1,000,000
減価償却費 16,000
(貸方)車両 96,000
営業外支払手形 900,000
固定資産売却益 20,000
解説
・買い替え前車両1kmあたりの減価償却費
¥800,000÷100,000km=¥8/km
・現時点の減価償却完了額
¥8×88,000km=¥704,000
・当期首の備品の価格
¥800,000-¥704,000=¥96,000
・当期首から買い替えまでの減価償却費
¥8×2,000km=¥16,000
→減価償却費勘定で計上
(当期の減価償却費は計上していないため、計上)
・現時点の旧車両の価格
¥96,000-¥16,000=¥80,000
旧型車両の売却額は¥100,000であるため、差額の¥20,000は固定資産売却益勘定にて処理する。
滅失に関する仕訳
通常の滅失の場合
例1:石岡工業株式会社(決算日:3月31日)は、○2年7月1日に火災により備品が使用不可となった。なお、この備品のデータは下記のとおりである。
・取得日:○0年4月1日
・取得原価:¥120,000
・残存価格:ゼロ
・耐用年数:6年
・減価償却費の記帳方法:間接法
・減価償却費の計算法:定額法
解答
(借方)減価償却累計額 40,000
減価償却費 5,000
災害損失 75,000
(貸方)備品 120,000
解説
必要なデータは次のとおりである。
1 減価償却累計額と減価償却費の算出。
・減価償却累計額の算出
取得日〜前年度の決算日までの期間分が該当する。
例題の場合、2年(24ヶ月)分であるため、
(取得原価¥120,000−残存価格¥0)×該当月数24ヶ月÷耐用月数72ヶ月=¥40,000
・減価償却費の算出
(取得原価¥120,000−残存価格¥0)×該当月数3ヶ月÷耐用月数72ヶ月=¥5 ,000
→上記の内容を仕訳にすると下記のとおりとなる。
(借方)減価償却累計額 40,000
減価償却費 5,000
2 使用不可となった備品の取得原価の記帳
備品の取得原価は¥120,000であるため、これを仕訳にすると下記の通りである。
(貸方)備品 120,000
3 借方と貸方差額の計上
備品¥120,000−(減価償却累計額¥40,000+減価償却費
¥5,000)=¥75,000
上記金額は備品の現時点の価値である。
この価値の備品が火災による災害で滅失した。
→よって、借方に災害損失勘定(費用の勘定)を使用し、処理する。
(借方)災害損失 75,000
なお、滅失に備えて保険に加入することが多い。
保険に加入していた場合
例1:石岡工業株式会社(決算日:3月31日)は、○2年7月1日に火災により備品が使用不可となった。なお、¥50,000を限度額とする保険契約を結んでいる。
この備品のデータは下記のとおりである。
・取得日:○0年4月1日
・取得原価:¥120,000
・残存価格:ゼロ
・耐用年数:6年
・減価償却費の記帳方法:間接法
・減価償却費の計算法:定額法
解答
(借方)減価償却累計額 40,000
減価償却費 5,000
未決算 50,000
災害損失 25,000
(貸方)備品 120,000
解説
1 減価償却累計額と減価償却費の算出。
・減価償却累計額の算出
取得日〜前年度の決算日までの期間分が該当する。
例題の場合、2年(24ヶ月)分であるため、
(取得原価¥120,000−残存価格¥0)×該当月数24ヶ月÷耐用月数72ヶ月=¥40,000
・減価償却費の算出
(取得原価¥120,000−残存価格¥0)×該当月数3ヶ月÷耐用月数72ヶ月=¥5 ,000
→上記の内容を仕訳にすると下記のとおりとなる。
(借方)減価償却累計額 40,000
減価償却費 5,000
2 使用不可となった備品の取得原価の記帳
備品の取得原価は¥120,000であるため、これを仕訳にすると下記の通りである。
(貸方)備品 120,000
3 借方と貸方差額の計上
備品¥120,000−(減価償却累計額¥40,000+減価償却費 ¥5,000)=¥75,000
上記金額は備品の現時点の価値である。
この価値の備品が火災による災害で滅失した。
→備品には¥50,000を限度額とする保険契約を結んでいる。
しかし、実際の保険金支払額は確定していない。
この場合、未決算勘定を使用し、処理する。
(借方)未決算 50,000
4 備品価値と保険金上限の差額処理
保険金は上限¥50,000であるため、火災発生時の備品価値¥75,000−保険金上限¥50,000=¥25,000は損失として計上する。
(借方)災害損失 25,000
例2 例1の火災に対する保険金支払額は¥45,000である旨の連絡を受け、10日後に当座預金口座ヘ振り込まれる旨の連絡を受けた。
解答
(借方)未収金 45,000
災害損失 5,000
(貸方)未決算 50,000
解説
未決算勘定の振り替え
未決算勘定の金額¥50,000の処理方法
保険金確定額¥45,000→支払いが確定しただけであるため、未収金勘定にて処理する。
差額¥5,000→損失として計上する。
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