みなさん、こんばんは。
本日は、費用・収益の見越・繰延について執筆していきます。
費用・収益の見越・繰延とは
見越・・・当期中に発生していない費用・収益を当期中に計上すること。
これに当てはまるのは、未収収益、未払費用が該当する。
繰延・・・当期中に発生している費用・収益を次期以降に計上すること。
これに当てはまるのは、前受収益、前払費用が該当する。
見越・繰延の処理を行う目的は、発生主義に基づき、費用・収益を計上するためである。
貸借対照表の資産・負債の区分を判定するための手段として、
正常営業循環基準・1年基準の2種類がある。
正常営業循環基準・・・正常な営業サイクルによって発生する資産・負債は、保有期間に関わらず流動資産・流動負債として計上すること。
資産→現金・当座預金・受取手形・売掛金・電子記録債権・商品 など
負債→支払手形・買掛金・電子記録債務 など
1年基準・・・1年を基準として、費用・収益の見越、繰延を行うこと。
勘定科目と貸借対照表上の資産・負債の区分は下記のとおりである。
・1年以内に期間が到来するもの
見越・・・未収〇〇(流動資産)、未払〇〇(流動負債)
繰延・・・前払〇〇(流動資産)、前受〇〇(流動負債)
・1年を超えて期間が到来するもの
見越・・・長期未収〇〇(固定資産)、長期未払〇〇(固定負債)
繰延・・・長期前払〇〇(固定資産)、長期前受〇〇(固定負債)
上記の通り、勘定科目に「長期」が入る。
※〇〇内には、費用・収益の項目が入る。
貸借対照表の区分は、以下のフローにて判定する。
2 収益・費用の見越・繰延に関する仕訳
例題をもとに決算整理仕訳を見ていこう。
下記の決算整理前元帳残高(一部)をもとに決算整理仕訳を答えよう。
○2年3月31日 決算整理前元帳残高(一部)
受取家賃:¥36,000
受取利息:¥9,000
支払保険料:¥9,000
支払利息:¥7,200
1 受取家賃は、〇1年9月1日に向こう36ヶ月分を受け取ったものである。未経過分を繰り延べる。
(借方)受取家賃 29,000
(貸方)前受家賃 12,000
長期前受家賃 17,000
・1ヶ月あたりの受取家賃
受取家賃¥36,000÷36ヶ月=¥1,000
・未経過月数
36ヶ月−7ヶ月=29ヶ月
¥1,000×未経過月数29ヶ月=¥29,000→前受家賃となる。
前受家賃は1年基準により、下記のように分けられる。
・1年以内の部分12ヶ月分(¥12,000)を前受家賃として計上
・1年を超える部分17ヶ月分(¥17,000)を長期前受家賃として計上
2 受取利息は貸付金に対するものである。下記の貸付金に関連するデータをもとに適切な処理を行う。
・貸付金額:¥300,000
・年利率:4%
・貸付期間:〇1年7月1日〜〇2年6月30日
・利払い:12月末、6月末
(借方)未収利息 3,000
(貸方)受取利息 3,000
年間の利息¥300,000×4%=¥12,000
利払い日(12月末)から決算日までの期間は3ヶ月→すでに期間が経過しているが、まだ利息を受け取っていない状態である。
利息¥12,000×3ヶ月÷12ヶ月=¥3,000→未収利息として処理する。
3 支払保険料のうち¥3,000は、〇2年1月1日〜〇2年3月31日までのものであり、まだ支払いは行われていない。経過分の見越処理を行う。
(借方)支払保険料 3,000
(貸方)未払保険料 3,000
支払いが行われていない保険料→未払保険料として処理する。
4 支払利息は借入金に対するものである。下記の貸付金に関連するデータをもとに適切な処理を行う。
・借入金額:¥180,000
・年利率:4%
・借入期間:〇1年7月1日〜〇2年6月30日
・利払い:12月末、6月末
(借方)支払利息 1,800
(貸方)未払利息 1,800
年間の利息¥180,000×4%=¥7,200
利払い日(12月末)から決算日までの期間は3ヶ月→すでに期間が経過しているが、まだ利息を支払っていない状態である。
利息¥7,200×3ヶ月÷12ヶ月=¥1,800→未払利息として処理する。
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