本日は、権利に関する無形固定資産について、執筆していきます。
無形固定資産とは
無形固定資産
形のない固定資産をいう。
つまり、目に見えない固定資産である。
無形固定資産の一例として、次のようなものが挙げられる。
法律上の権利
主なものを4つ取り上げる。
特許権
自然法則を利用した発明を一定期間保護する権利。
ここでいう発明とは、新規かつ高度で産業上利用可能なものをいう。
実用新案権
物品の形状、構造、組み合わせに関する構造を保護する権利。
意匠権
新しい発想で美しさを有する物品の形状・模様・色彩などのデザインを保護する権利
商標権
商品・サービスを区別するために使用するマーク(文字・図形)を保護する権利。
これらの例をノートパソコンを例に取り上げる。
出典・引用:特許庁 スッキリわかる知的財産権
営業上の権利
主なものを2つ取り上げる。
のれん
被買収企業の買収価額と純資産の差額を指す。
この部分は、相手先企業のブランド力などを評価して余分に支払っている。
のれんが発生する仕組み
借地権
建物の所有を目的とする地上権・土地貸借権をいう。
権利関係は目に見えないため無形固定資産となる。
無形固定資産取得時の仕訳
法律上の権利を取得した場合
法律上の権利に該当する無形固定資産を取得した場合は、借方に権利の名前を記載する。
権利の種類による勘定科目の例を下記に記載する。
特許権を取得した場合
・・・特許権
意匠権を取得した場合
・・・意匠権
実用新案権を取得した場合
・・・実用新案権
商標権を取得した場合
・・・商標権
例題をもとに仕訳例を見ていこう。
例1 笠間工業株式会社は、自社製品の特許権を取得し、取得代金¥500,000は45日後に小切手を振り出して支払うこととなった。
(借方)特許権 500,000
(貸方)未払金 500,000
例2 宇都宮工業株式会社は、自社製品の意匠権を取得し、取得代金¥500,000は45日後に小切手を振り出して支払うこととなった。
(借方)意匠権 500,000
(貸方)未払金 500,000
2つの例題の場合、「45日後に小切手を振り出して支払う・・・」と記載してあるため、貸方に未払金勘定を記載する。
誤って当座預金と記載しないように注意。
営業上の権利を取得した場合
営業上の権利に該当する無形固定資産を取得した場合は、借方に権利の名前を記載する。
権利の種類による勘定科目の例を下記に記載する。
土地を借りる権利
・・・借地(しゃくち)権
鉱物を採取する権利
・・・鉱業(こうぎょう)権
岩石・砂利などを採取する権利
・・・砕石(さいせき)権
企業買収額のうち、被買収会社の純資産額を超える部分
・・・のれん
例題をもとに仕訳を見ていこう
例1 渡辺商事株式会社は、事務所建設のため土地を貸借することとなった。借地権設定の対価として地主に¥1,000,000を小切手にて支払った。
(借方)借地権 1,000,000
(貸方)当座預金 1,000,000
例2 飯村産業は、鉱業権を¥1,000,000で取得し、代金は小切手で支払うこととした。
(借方)鉱業権 1,000,000
(貸方)当座預金 1,000,000
なお、のれんに関しては、企業合併のところで取り上げる。
以上、権利関係の無形固定資産について取り上げました。
コメント