2級商業簿記 2.4.9 期中取引 固定資産 無形固定資産(権利関係)

本日は、権利に関する無形固定資産について、執筆していきます。

 

無形固定資産とは

無形固定資産

形のない固定資産をいう。
つまり、目に見えない固定資産である。

 

無形固定資産の一例として、次のようなものが挙げられる。

法律上の権利

主なものを4つ取り上げる。

特許権

自然法則を利用した発明を一定期間保護する権利。
ここでいう発明とは、新規かつ高度で産業上利用可能なものをいう。

実用新案権

物品の形状、構造、組み合わせに関する構造を保護する権利。

意匠権

新しい発想で美しさを有する物品の形状・模様・色彩などのデザインを保護する権利

商標権

商品・サービスを区別するために使用するマーク(文字・図形)を保護する権利。

 

これらの例をノートパソコンを例に取り上げる。

出典・引用:特許庁 スッキリわかる知的財産権

 

営業上の権利

主なものを2つ取り上げる。

のれん

被買収企業の買収価額と純資産の差額を指す。
この部分は、相手先企業のブランド力などを評価して余分に支払っている。

のれんが発生する仕組み

 

借地権

建物の所有を目的とする地上権・土地貸借権をいう。
権利関係は目に見えないため無形固定資産となる。

無形固定資産取得時の仕訳

法律上の権利を取得した場合

法律上の権利に該当する無形固定資産を取得した場合は、借方に権利の名前を記載する。

権利の種類による勘定科目の例を下記に記載する。

特許権を取得した場合
・・・特許権

意匠権を取得した場合
・・・意匠権

実用新案権を取得した場合
・・・実用新案権

商標権を取得した場合
・・・商標権

例題をもとに仕訳例を見ていこう。

例1 笠間工業株式会社は、自社製品の特許権を取得し、取得代金¥500,000は45日後に小切手を振り出して支払うこととなった。

(借方)特許権 500,000

   (貸方)未払金 500,000

 

例2 宇都宮工業株式会社は、自社製品の意匠権を取得し、取得代金¥500,000は45日後に小切手を振り出して支払うこととなった。

(借方)意匠権 500,000

   (貸方)未払金 500,000

2つの例題の場合、「45日後に小切手を振り出して支払う・・・」と記載してあるため、貸方に未払金勘定を記載する。
誤って当座預金と記載しないように注意。

 

営業上の権利を取得した場合

営業上の権利に該当する無形固定資産を取得した場合は、借方に権利の名前を記載する。

権利の種類による勘定科目の例を下記に記載する。

土地を借りる権利
・・・借地(しゃくち)権

鉱物を採取する権利
・・・鉱業(こうぎょう)権

岩石・砂利などを採取する権利
・・・砕石(さいせき)権

企業買収額のうち、被買収会社の純資産額を超える部分
・・・のれん

 

例題をもとに仕訳を見ていこう

例1 渡辺商事株式会社は、事務所建設のため土地を貸借することとなった。借地権設定の対価として地主に¥1,000,000を小切手にて支払った。

(借方)借地権 1,000,000

   (貸方)当座預金 1,000,000

 

例2 飯村産業は、鉱業権を¥1,000,000で取得し、代金は小切手で支払うこととした。

(借方)鉱業権 1,000,000

   (貸方)当座預金 1,000,000

なお、のれんに関しては、企業合併のところで取り上げる。 

 

以上、権利関係の無形固定資産について取り上げました。

記事カテゴリー
2級商業簿記 
bokikouzaをフォローする
簿記講座.com

コメント

タイトルとURLをコピーしました