本日は、銀行勘定調整表について執筆していきます。
銀行勘定調整表とは
銀行勘定調整表
当座預金の帳簿残高が銀行の残高証明書と一致しない場合、不一致を調整するために作成するもの。
当座預金残高不一致の原因として下記が挙げられる。
A 銀行側の残高証明書の修正を伴うもの
この場合は、新たな仕訳は不要である。
時間外取引
銀行の営業時間外に行われた取引をいう。
→当座預金残高への反映は翌日となるために差異が発生する。
未取付小切手
代金の支払いなどのために相手方へ振り出した小切手のうち、まだ換金されていない小切手をいう。
→当座預金残高への反映は、相手方が小切手を振り出し後であるため差異が発生する。
未取立小切手
代金の受け取りのために相手方から小切手を受け取ったが、銀行の都合で取り立てが行われていない小切手をいう。
→当座預金残高への反映は、取り立て完了後であるため差異が発生する。
B 当座預金勘定残高の修正を伴うもの。
この場合、そのままでは永久に差異が解消しないため、修正仕訳が必要である。
誤記入
仕訳等を誤って記入すること。
→仕訳などが誤っているため、差異が発生する。
銀行からの連絡未達
当座預金の増減に関する取引の連絡が、企業側に未達である場合に発生する。
→取引内容を企業側で把握していないため、差異が発生する。
未渡小切手
相手方へ代金を支払うための小切手のうち、相手方に渡していない小切手をいう。
→帳簿上は振り出したことになっているため、差異が発生する。
銀行勘定調整表の種類
銀行勘定調整表には3つの種類がある。
両者区分調整法
当座預金残高と銀行の残高証明書残高の両者を調整し、一致額を算出する方法をいう。
企業残高基準法
当座預金残高のみを調整し、銀行の残高証明書残高に合わせる方法をいう。
銀行残高基準法
銀行の残高証明書残高のみを調整し、当座預金残高に合わせる方法をいう。
銀行勘定調整表の作成
例題をもとに、銀行勘定調整表を作成していこう。
例 5月31日に水戸物産株式会社は、内原銀行より当座預金の残高証明書を入手した。
確認したところ、残高証明書の当座預金残高は¥120,000、当座預金勘定の帳簿残高は¥130,000であった。
そのため、不一致の原因を調査したところ、下記の通りであった。
A 当座預金口座へ¥50,000を預け入れたが、銀行では翌日の記帳であることが判明した。
仕訳なし(時間外取引)
B 内原物産へ買掛金¥30,000を小切手を振り出して支払ったが、先方にて小切手の取り付けを行っていないことが判明した。
仕訳なし(未取付小切手)
C 古賀産業株式会社へ商品¥10,000を売り上げ、代金は小切手にて受け取り、銀行へ取立を依頼していたが、取立が行われていなかった。
仕訳なし(未取立小切手)
D 糸井産業株式会社に対する買掛金¥20,000を小切手を振り出し支払ったが、当該の小切手が自社の金庫へ保管されていることが判明した。
(借方)当座預金 20,000
(貸方)買掛金 20,000
(未渡小切手)
以上、銀行勘定調整表について取り上げました。
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