みなさん、こんばんは。
本日は、貸倒引当金の個別評価・営業外債権の貸倒引当金の計上について執筆していきます。
貸倒引当金の評価方法
貸倒引当金の評価方法には、一括評価と個別評価がある。
・一括評価・・・過去の貸倒率などの実績より、債権の貸倒引当金を一括で設定すること。
財政状態に問題のない取引先に対して行う貸倒引当金の評価方法である。
従来より取り上げている売掛金・受取手形・電子記録債権の評価方法である。
・個別評価・・・個別の相手先ごとに貸倒引当金を設定すること。
財政状態に問題のある取引先に対して行う貸倒引当金の評価方法である。
一括評価と個別評価の関係図を下記に示す。
営業債権・営業外債権の貸倒引当金
営業債権・・・営業活動で発生した債権をいう。
売掛金・受取手形・電子記録債権が該当する。
貸倒引当金分は貸倒引当金繰入(費用の勘定)にて処理する。
損益計算書の区分は「販売費および一般管理費」である。※詳細は別途記述する。
営業外債権・・・営業活動以外で発生した債権をいう。
例えば、商品売買業が本業の場合は、貸付金などが該当する。
貸倒引当金分は貸倒引当金繰入(費用の勘定)にて処理する。
損益計算書の区分は「営業外費用」である。※詳細は別途記述する
貸倒引当金に関する勘定科目の区分
貸倒引当金の計上
例題をもとに仕訳を見ていこう。
決算にあたり以下の債権について貸倒引当金を設定する。
ただし、備考の項目に従うこと。
・受取手形 ¥1,000,000
・売掛金 ¥2,000,000
・電子記録債権 ¥1,500,000
・貸付金 ¥1,000,000
(借方) 貸倒引当金繰入 580,000
(貸方) 貸倒引当金 580,000
備考より、貸倒引当金の評価方法は下記のとおりである。
・一括評価・・・受取手形・売掛金・電子記録債権
→財務上問題ない債権かつ営業上で発生した債権である。
・個別評価・・・貸付金
→財務上問題がある債権である。
・一括評価にて算出する貸倒引当金
貸倒引当金総額→(受取手形¥1,000,000+売掛金2,000,000+電子記録債権1,500,000)×2%=¥90,000
差額補充法による計上のため・・・
貸倒引当金総額¥90,000-貸倒引当金残高¥10,000=貸倒引当金計上額¥80,000
なお、貸倒引当金の残高は営業活動にて発生した債権に対するものである。
よって、営業上で発生した債権に対しての貸倒引当金の総額より差し引いている。
仕訳を示すと・・・
(借方)貸倒引当金繰入 80,000
(貸方)貸倒引当金 80,000
となる。(この仕訳をAとする)
・個別評価にて算出する貸倒引当金
貸倒引当金総額→貸付金¥1,000,000×50%=¥500,000
別途計上している貸倒引当金はないため、この金額を計上する
仕訳を示すと・・・
(借方)貸倒引当金繰入 80,000
(貸方)貸倒引当金 80,000
となる。(この仕訳をBとする)
A・Bの仕訳をまとめると、解答のとおり
(借方) 貸倒引当金繰入 580,000
(貸方) 貸倒引当金 580,000
となる。
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