2級商業簿記 2.10 期中取引 税効果会計

みなさん、こんばんは。

本日より税効果会計について執筆していきます。

今回は、税効果会計の概要について執筆していきます。

 

税効果会計とは。

税効果会計・・・企業会計で発生する税金と実際の税金の差異を調整するために行う会計処理をいう。

税効果会計の目的・・・会計処理上の損益と税法上の損益が異なるため。

理由については「差異の種類亅にて記載する。

 

差異の種類

発生する差異には、一時差異と永久差異に区別することができる。

一時差異・・・企業会計と税務会計の認識時期のズレによって生まれる差異をいう。

企業会計と税務会計の収益と益金、費用と損金の特徴を下記に示す。

イ 範囲、考え方は同様である。

ロ 認識・計上のタイミングが異なる。

ハ 用語の関係

・収益・費用→企業会計の分野で用いられる用語

・益金・損金→税務会計の分野で用いられる用語

発生する差異は、いずれ解消する。  

差異が解消されるとき・・・

・課税所得よりマイナスされる→将来減算一時差異

・課税所得へプラスされる→将来加算一時差異 

と呼ぶ。

 

永久差異・・・企業会計では収益または費用に算入されるが、税務会計では益金または損金へ永久に算入されない項目に対して発生する差異をいう。

税務会計の分野では、益金・損金について下記4つに項目を分類することができる。

・益金算入項目 

・益金不算入項目

・損金算入項目

・損金不算入項目

 

税効果会計適用時の仕訳

税効果会計を適用する条件として、下記が挙げられる。

・企業会計と税務会計とで、

A 収益・費用を認識するタイミングが異なる

B 一時的な差異である。(将来、差異が解消される)

永久に差異が解消されないものについては、税効果会計は採用しない。理由:差異が解消されなければ、税金の変化はないため。

 

例1 当期に減価償却費として¥20,000計上したが、税務上損金として認められなかった。よって、税効果会計を採用し適切な処理を行う。なお、法人時の実効税率は40%とする。

(借方)繰延税金資産 8,000

  (貸方)減価償却費 8,000

繰延税金資産・・・先払いした税金を計上する勘定科目

上記の場合は、将来納める税金を先に納める時に使用する。

・金額の算出

減価償却費¥20,000×実効税率40%=¥8,000

→減価償却費を計上するとともに、繰延税金資産をなくす処理を行う。

 

例2 例1の減価償却費について、該当する備品を売却したため損金として認められたため適切な処理を行う。

(借方)減価償却費 8,000

  (貸方)繰延税金資産 8,000 

減価償却費が損金として認められたため、再度、減価償却費を計上する。

 

例3 有価証券売却益のうち、¥20,000について益金として認められなかった。よって、税効果会計を採用し適切な処理を行う。なお、実効税率は40%である。

(借方)有価証券売却益 8,000

  (貸方)繰延税金負債 8,000

・繰延税金負債→未払い分の税金を計上する勘定科目

上記の場合は、現在納める税金を後に納める時に使用する

・金額の算出

有価証券売却益¥20,000×実効税率40%=¥8,000

→有価証券売却益を減額する。

 

例4 例3の有価証券売却益について、該当の代金を受け取ったため、益金として認められたため適切な処理を行う。

(借方)繰延税金負債 8,000

  (貸方)有価証券売却益 8,000 

有価証券売却益が益金として認められたため、再度、減価償却費を計上するとともに、繰延税金負債をなくす処理を行う。

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