みなさん、こんばんは。
本日は、リース取引について、執筆していきます。
リースとは
リース・・・賃貸借という意味である。
ここでは、リース会社が企業に機械・設備などを長期間貸し出すという意味で使用されている。
最近では、個人でもカーリースなどが行われている。
リース取引の場合は、機械、備品の使用者と所有者は異なる。
リースの仕組み
リースの形態
2級商業簿記の範囲の場合、大きく2つに分類することができる。
ファイナンス・リース取引
ファイナンス・リース取引・・・設備や機械の導入のための資金調達を目的としたリース取引をいう。
金融取引としての性格が強い。
ファイナンス・リースの特徴
・ノン・キャンセラブル(途中解約不可)
解約する場合は残りのリース期間分の代金を、違約金として請求されることが多い。
・フル・ペイアウト
物品から得られる利益をすべて受け取る。
この場合の利益は、価値のあるものを生み出すことである。
同時に、物件に係わる費用をすべて負担する。
また、ファイナンス・リース取引では、利息部分の記帳について 利子込み法と利子抜き法がある。
・利子込み法・・・リース料の利息部分を資産価値に含めて計上する記帳法をいう。
・利子抜き法・・・リース料の利息部分を資産価値とは別に計上する記帳法をいう。
オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引・・・設備や機器の賃貸借を目的としたリース取引をいう。
賃貸借の要素が強いため、途中解約やリース期間経過後の再リースなども行われている。
オペレーティング・リースの仕組み(リースの仕組みと同じ)
ファイナンス・リースに関する仕訳
以下の例題をもとに、利子抜き法と利子込み法の仕訳を見ていこう。
例1:今村商事株式会社は、×1年10月1日に、下記の条件でリース会社と備品のリース契約を締結した。このリース取引はファイナンス・リース取引に該当する(※適切に処理済み)。
・リース期間:8年
・リース料:年額¥100,000(毎年9月末日払い)
・リース資産:見積現金購入価額¥720,000
・決算日:3月31日(会計期間は1年)
利子抜き法
(借方)リース資産 720,000
(貸方)リース債務 720,000
利子込み法
(借方)リース資産 800,000
(貸方)リース債務 800,000
イ 借方に記載するリース資産勘定の金額
利子抜き法
見積現金購入価格¥720,000を計上する。
利子込み法
8年分のリース料¥800,000を計上する。
ロ 貸方に記載するリース債務勘定の金額
リース資産と同額の金額を記載する。
リース料としてリース期間に渡って、負債を返済していくイメージである。
例2 決算に当たり、下記の処理を行った。
イ リース資産の減価償却費の計上(間接法にて行う)
利子抜き法
(借方)減価償却費 90,000
(貸方)リース資産減価償却累計額 90,000
利子込み法
(借方)減価償却費 100,000
(貸方)リース資産減価償却累計額 100,000
ロ リース料の見越処理
利子抜き法
(借方)リース債務 45,000
支払利息 5,000
(貸方)未払リース料 50,000
利子込み法
(借方)リース債務 50,000
(貸方)未払リース料 50,000
減価償却費
利子抜き法
リース資産¥720,000÷リース期間8年=¥90,000/年
利子込み法
リース資産¥800,000÷リース期間8年=¥100,000/年
貸方 未払リース料の計上
リース契約〜決算時の経過月数・・・6ヶ月
見越しリース料
年間リース料¥100,000×経過月数6ヶ月÷12ヶ月=¥50,000
→未払リース料として貸方へ記帳
(利子抜き法・利子込み法 ともに同額)
借方科目の計上
未払リース料の内訳は下記のとおりである。
利子抜き法
リース債務の減少額
計上した減価償却費の金額(¥45,000)と同額である。
支払利息の計上額
未払リース料¥50,000とリース債務¥45,000の差額¥5,000が利息である。
利子込み法
リース債務の減少額
計上した減価償却費(¥50,000)と同額である。
オペレーティング・リースに関する仕訳
例1:中山商会株式会社(会計期間:4/1〜3/31)は、○1年4月1日に、コピー機のリース契約を締結した。
なお、このリース契約はオペレーティング・リースと判定された。
リース条件は下記のとおりである。
・リース期間:5年
・年間リース料:¥100,000
・リース料支払日:毎年3月31日
仕訳なし
オペレーティング・リース・・・機器を借りて使用するイメージである。
→自身の資産としては計上しない。
よって、この段階では取引の記帳は発生しない。
例2 ○2年3月31日に例1の取引のリース料を当座預金にて支払った。
(借方)支払リース料 100,000
(借方)当座預金 100,000
支払リース料は、毎年3月31日であることが読み取れる。
→年間のリース料¥100,000を計上する。
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