2級商業簿記 2.8 期中取引 リース取引 

みなさん、こんばんは。

本日は、リース取引について、執筆していきます。

 

リースとは

リース・・・賃貸借という意味である。
ここでは、リース会社が企業に機械・設備などを長期間貸し出すという意味で使用されている。

最近では、個人でもカーリースなどが行われている。

リース取引の場合は、機械、備品の使用者と所有者は異なる。

リースの仕組み

 

リースの形態

2級商業簿記の範囲の場合、大きく2つに分類することができる。

 

ファイナンス・リース取引

ファイナンス・リース取引・・・設備や機械の導入のための資金調達を目的としたリース取引をいう。
金融取引としての性格が強い。

ファイナンス・リースの特徴

・ノン・キャンセラブル(途中解約不可)
解約する場合は残りのリース期間分の代金を、違約金として請求されることが多い。

・フル・ペイアウト
物品から得られる利益をすべて受け取る。
この場合の利益は、価値のあるものを生み出すことである。
同時に、物件に係わる費用をすべて負担する。

また、ファイナンス・リース取引では、利息部分の記帳について 利子込み法と利子抜き法がある。
 
・利子込み法・・・リース料の利息部分を資産価値に含めて計上する記帳法をいう。
 
・利子抜き法・・・リース料の利息部分を資産価値とは別に計上する記帳法をいう。

 

オペレーティング・リース取引

オペレーティング・リース取引・・・設備や機器の賃貸借を目的としたリース取引をいう。
賃貸借の要素が強いため、途中解約やリース期間経過後の再リースなども行われている。

オペレーティング・リースの仕組み(リースの仕組みと同じ)

 

ファイナンス・リースに関する仕訳

以下の例題をもとに、利子抜き法と利子込み法の仕訳を見ていこう。

例1:今村商事株式会社は、×1年10月1日に、下記の条件でリース会社と備品のリース契約を締結した。このリース取引はファイナンス・リース取引に該当する(※適切に処理済み)。

・リース期間:8年
・リース料:年額¥100,000(毎年9月末日払い)
・リース資産:見積現金購入価額¥720,000
・決算日:3月31日(会計期間は1年)

利子抜き法

(借方)リース資産 720,000

  (貸方)リース債務 720,000

利子込み法

(借方)リース資産 800,000 

  (貸方)リース債務 800,000

 

イ 借方に記載するリース資産勘定の金額

利子抜き法
見積現金購入価格¥720,000を計上する。

利子込み法
8年分のリース料¥800,000を計上する。

 

ロ 貸方に記載するリース債務勘定の金額

リース資産と同額の金額を記載する。
リース料としてリース期間に渡って、負債を返済していくイメージである。

 

例2 決算に当たり、下記の処理を行った。

イ リース資産の減価償却費の計上(間接法にて行う)

利子抜き法

(借方)減価償却費 90,000

  (貸方)リース資産減価償却累計額 90,000

利子込み法

(借方)減価償却費 100,000

  (貸方)リース資産減価償却累計額 100,000

 

ロ リース料の見越処理

利子抜き法

(借方)リース債務 45,000

    支払利息 5,000

  (貸方)未払リース料 50,000

利子込み法

(借方)リース債務 50,000

  (貸方)未払リース料 50,000

 

減価償却費

利子抜き法
リース資産¥720,000÷リース期間8年=¥90,000/年

利子込み法
リース資産¥800,000÷リース期間8年=¥100,000/年

 

貸方 未払リース料の計上
リース契約〜決算時の経過月数・・・6ヶ月

見越しリース料
年間リース料¥100,000×経過月数6ヶ月÷12ヶ月=¥50,000
→未払リース料として貸方へ記帳
(利子抜き法・利子込み法 ともに同額)

 

借方科目の計上
未払リース料の内訳は下記のとおりである。

利子抜き法
リース債務の減少額
計上した減価償却費の金額(¥45,000)と同額である。

支払利息の計上額
未払リース料¥50,000とリース債務¥45,000の差額¥5,000が利息である。

利子込み法
リース債務の減少額
計上した減価償却費(¥50,000)と同額である。

 

オペレーティング・リースに関する仕訳

例1:中山商会株式会社(会計期間:4/1〜3/31)は、○1年4月1日に、コピー機のリース契約を締結した。
なお、このリース契約はオペレーティング・リースと判定された。
リース条件は下記のとおりである。

・リース期間:5年
・年間リース料:¥100,000
・リース料支払日:毎年3月31日

仕訳なし
 
オペレーティング・リース・・・機器を借りて使用するイメージである。
→自身の資産としては計上しない。

よって、この段階では取引の記帳は発生しない。

 

例2 ○2年3月31日に例1の取引のリース料を当座預金にて支払った。

(借方)支払リース料 100,000

  (借方)当座預金 100,000
 
支払リース料は、毎年3月31日であることが読み取れる。
→年間のリース料¥100,000を計上する。

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