2級商業簿記 2.1.1 期中取引 商品売買取引 売上原価対立法・棚卸減耗損・商品評価損

本日は、商品売買取引に関する下記の項目について、執筆していきます。

・売上原価対立法による商品売買の記帳

・棚卸減耗損

・商品評価損

 

売上原価対立法とは

売上原価対立法

商品を販売のつど、商品勘定から売上原価勘定に振り替える商品売買の記帳法をいう。

簡単にいうと、売上と売上原価の計上を同時に行う記帳法である。

売上原価の記帳と同時に、商品の減少を伴う。
(商品を売り渡しているため)

 

売上原価対立法による仕訳・総勘定元帳の記入

商品を仕入れたとき

借方に商品勘定を記入、貸方に代金支払い関連の勘定(現金・買掛金など)記入し、記帳する。

商品を売り上げたとき

借方へ代金受け取り関連の勘定(現金・売掛金など)、貸方に売上勘定を記入し、記帳する。

その後、売り上げた商品の原価分を商品勘定から売上原価勘定へ振り替える。

 

例1 浪江商会は商品¥700,000を仕入れ、代金は掛けとした。

(借方)商品 700,000

   (貸方)買掛金 700,000

 

例2 浪江商会は佐川産業へ、例1の商品を¥850,000で売り渡し、代金は小切手にて受けとった。

(借方)現金 850,000

    売上原価 700,000

   (貸方)売上 850,000 

      商品 700,000

 

総勘定元帳は下記のようになる。
(商品・売上原価・売上勘定のみ)

 

棚卸減耗損と商品評価損とは

棚卸減耗損

商品の棚卸の結果、帳簿上の個数より実際の個数が少ないことによる損失をいう。

商品評価損

商品の価値が、仕入価額を下回ることによる損失をいう。

棚卸減耗損(費)のイメージ図

商品評価損のイメージ図

 

棚卸減耗損に関する仕訳

棚卸減耗損が発生した場合は、棚卸減耗費または棚卸減耗損(費用の勘定)を使用し処理する。

例:商品の棚卸をした結果、下記の通りであった。

商品A 
帳簿在庫 70個
実地在庫 65個
商品1個当たりの単価:¥200 

 

3分法

(借方) 棚卸減耗費(損) 1,000

  (貸方) 仕入 1,000

 

売上原価対立法

(借方) 棚卸減耗費(損)1,000

  (貸方) 商品 1,000

 

棚卸減耗費または棚卸減耗損¥1,000=(帳簿在庫70個-実地在庫65個)×¥200=¥1,000

 

商品評価損に関する仕訳

商品評価損が発生した場合は、商品評価損(費用の勘定)を使用し処理する。

例:商品を調査したところ、下記の通りであった。

商品B  
帳簿在庫 50個
実地在庫 50個
商品1個当たりの仕入価額 ¥300
現在の商品1個当たりの価値 ¥290

 

3分法

(借方) 商品評価損 500 

  (貸方) 仕入 500 

 

売上原価対立法

(借方) 商品評価損 500

  (貸方) 商品 500

 

商品評価損¥500=
実地在庫50個×(商品1個当たりの仕入単価¥300-現時点の商品1個当たりの価値 ¥290)

 

棚卸減耗損・商品評価損を売上原価に含める場合の処理

例:棚卸減耗損¥5,000と商品評価損¥1,000を売上原価の内訳項目とした。

3分法

(借方) 仕入 6,000 

  (貸方) 棚卸減耗損 5,000

     商品評価損 1,000

 

売上原価対立法

(借方) 仕入 6,000 

  (貸方) 棚卸減耗損 5,000

     商品評価損 1,000

なお、ここで取り上げた棚卸減耗損・商品評価損は、通常起こりうる範囲内のものを言います。

 

以上、売上原価対立法による商品売買取引の記帳、棚卸減耗損・商品評価損について取り上げました。

記事カテゴリー
2級商業簿記 
bokikouzaをフォローする
簿記講座.com

コメント

タイトルとURLをコピーしました