3級商業簿記 2.5 期中取引 小口現金

今回は少額の支払いに使用する「小口現金」について執筆していきます。

 

小口現金とは

小口現金・・・少額の支払いのために前もって会計係から庶務係などに渡しておく現金をいう。

小口現金の対象例として、文房具の購入などがあげられる。

 

小口現金が存在する理由

日常の少額(小口)の支払いまで小切手を振り出すと、かえってわずらわしくなるため。

小口現金の支給方法として、定額資金前渡法が採用されることが多い。

 

定額資金前渡法・・・小口現金の支給方法のひとつで、月初に定額の小口現金を小切手で支給し、月末に使った分を小切手で補充する方式。
インプレスト・システムとも呼ばれている。

定額資金前渡法の流れについて説明していく。

 

定額資金前渡法の流れ

1 会計係は庶務係へ1か月分の小口現金の必要額を月初に小切手を振り出し支給する。

2 庶務係は受け取った小切手を銀行にて換金し、金庫等へ保管しておく。

3 庶務係は、日常の少額の支払いを小口現金より行う。

4 庶務係は支払の明細を小口現金出納帳に記載する。

5 月末に庶務係から会計係に支払の報告を行う。

6 会計係は庶務係に使用した小口現金の補充を小切手を振り出して行う。

以後、2~6を繰り返す。

上記の流れをまとめた図を下記に示す。

 

下記の図は、小口現金の支給~補充までの変化の流れを示した図である。

 

小口現金に関する仕訳

小口現金を受け取った場合。 

例: 会計係より一か月分の小口現金¥50,000を小切手にて前渡しされた。

(借方) 小口現金 50,000  

    (資産の増加)

   (貸方) 当座預金 50,000

       (資産の減少)

 

小口現金より物品等を購入した場合。

例:消耗品¥2,000を購入し、代金は小口現金より支払った。

(借方)消耗品費 2,000

   (費用の勘定)

  (貸方)小口現金 2,000

     (資産の減少)

 

小口現金の補充を受けた場合

例:当月の小口現金使用高は¥30,000であったことを庶務係より報告を受け、小口現金の使用高と同額を小切手にて補充した。

(借方) 小口現金 30,000 

    (資産の増加)

    (貸方) 当座預金 30,000

       (資産の減少)

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