本日は、個人企業が納める税金について執筆します。
個人企業が納める税金とは
個人企業が納める主な税金には、事業税・固定資産税・印紙税がある。
事業税
事業を営んで利益をあげた個人企業に対して課税される税金をいう。
納付は2期に分けて行う。
固定資産税
建物や土地などに課税される税金をいう。
1月1日現在の所有者に課され、納付は4期に分けて行う。
印紙税
領収書・売買契約書の発行時、手形などを振りだしたときに課税される税金である。
印紙税は収入印紙を購入し、書類や手形に貼り付け・消印することで納付したことになる。
消費税
物やサービスを購入したときに課税される税金をいう。
現在、日本の消費税は販売価格の10%である。
ただし、軽減税率が適用されるものは8%である。
税金納付時の仕訳
税金を納付したときは、下記の処理を行う。
なお、消費税については、別途取り上げる。
A 収めた税金の勘定(費用の勘定)を使用し処理する。
・事業税を納めた場合:事業税勘定(費用の勘定)
・固定資産税を納めた場合:固定資産税勘定(費用の勘定)
・収入印紙を購入したとき:印紙税勘定(費用の勘定)
B 租税公課勘定(費用の勘定)を使用し、処理する。
この場合、Aで取り上げた税金の処理は、租税公課勘定を用います。
例1 事業税の第一期分¥50,000を現金で納付した。
(借方) 租税公課 50,000
(費用の発生)
(貸方)現金 50,000
(資産の減少)
または
(借方)事業税 50,000
(費用の発生)
(貸方)現金 50,000
(資産の減少)
例2 固定資産税の第一期分¥50,000を現金で納付した。
(借方)租税公課 50,000
(費用の発生)
(貸方) 現金 50,000
(資産の減少)
または
(借方)固定資産税 50,000
(費用の発生)
(貸方)現金 50,000
(資産の減少)
例3 収入印紙¥5,000を現金で購入した。
(借方)租税公課 5,000
(費用の発生)
(貸方) 現金 5,000
(資産の減少)
または
(借方)印紙税 5,000
(費用の発生)
(貸方)現金 5,000
(資産の減少)
消費税に関する処理
消費税の処理は税抜方式と税込方式がある。
税抜方式
税抜方式の場合は、商品売買の取引を記帳する際、仕入・売上代金と消費税額を分けて記帳する。
その際、場面に応じて下記の勘定科目を使用する。
・仕入時に消費税を支払った場合→仮払消費税勘定(資産の勘定)
・売上時に消費税を受け取った場合→仮受消費税勘定(負債の勘定)
・消費税の受取額と支払額の差額は未払消費税勘定(負債の勘定)
税込方式
税込方式の場合は、商品売買の取引を記帳する際、仕入・売上代金と消費税額を分けずに記帳する。
(通常の商品売買取引と同様の処理を行う。)
消費税の納付額が確定した場合、租税公課(費用の勘定)を使用し、記帳する。
例題より、税抜方式と税込方式の仕訳を見ていこう。
ただし、例1〜例3は一連の取引である。
商品を仕入れたとき
例1 潮来商店は、商品¥88,000(うち消費税¥8,000)を仕入れ、代金は現金で支払った。
・税抜方式
(借方)仕入 80,000
(費用の発生)
仮払消費税 8,000
(資産の増加)
(貸方)現金 88,000
(資産の減少)
・税込方式
(借方)仕入 88,000
(費用の発生)
(貸方)現金 88,000
(資産の減少)
商品を売り渡したとき
例2 潮来商店は、商品¥110,000(うち消費税¥10,000)を売り渡し、代金は現金で受け取った。
・税抜方式
(借方)現金 110,000
(資産の増加)
(貸方)売上 100,000
(収益の発生)
仮受消費税 10,000
(負債の発生)
・税込方式
(借方)現金 110,000
(資産の増加)
(貸方)売上 110,000
(収益の発生)
消費税額が確定したとき
例3 潮来商店は、期末に納付すべき消費税額を確定させた。
・税抜方式
(借方)仮受消費税 10,000
(負債の減少)
(貸方)仮払消費税 8,000
(資産の減少)
未払消費税 2,000
(負債の発生)
・税込方式
(借方) 租税公課 2,000
(費用の発生)
(貸方) 未払消費税 2,000
(負債の発生)
受け取った消費税¥10,000−支払った消費税¥8,000=¥2,000
以上、税金に関する取引について取り上げました。
コメント