3級商業簿記 6.1.3 特殊会計処理 証ひょう・棚卸表・差入保証金

本日は、証ひょう・棚卸表・差入保証金について、執筆していきます。

 

証ひょうとは

証ひょう

企業や銀行との取引を裏付ける書類をいう。
請求書・領収書・納品書などがある。

 

証ひょうを利用した取引の仕訳

例 乙葉商事株式会社より、下記の納品書を受け取った。
納品書をもとに取引の仕訳を記入しよう。

条件は下記のとおりである。

1 消耗品はすべて費用として計上する。

2 代金の決済は45日後である。

3 消費税の記帳は税抜方式にて行う。

 

仕訳

(借方)消耗品費  1,500

    備品  10,000

    仮払消費税 1,150

  (貸方)未払金 12,650

 

解説

条件1  

X株式会社 コピー用紙
→消耗品費(費用の勘定)

Y株式会社 備品用棚
→備品(資産の勘定)

として計上する。

条件2 

消費税は税抜方式のため、分けて記帳する。

先に消費税を支払っているため、仮払消費税(資産の勘定)で処理する。

条件3 

代金は45日後決済であるため、未払金(負債の勘定)にて処理する。

 

棚卸表とは

棚卸表

決算整理事項の明細を一覧にしたものをいう。

決算整理前残高試算表の作成後に作成する。

棚卸表の例を、A~Eの決算整理を元に示す。
なお、決算日は3月31日である。

 

A:期末商品有高は¥90,000であった。
※決算整理前残高試算表に計上されている繰越商品は¥100,000である。

(借方)仕入   100,000

    繰越商品 90,000

  (貸方)繰越商品 100,000

      仕入    90,000

 

B 売上債権に対する貸倒引当金を1%計上する。

売上債権の期末有高は、

受取手形 ¥150,000
電子記録債権 ¥120,000
売掛金 ¥300,000
           
※1 貸倒引当金は差額補充法にて計上する。
※2 決算整理前残高試算表の貸倒引当金はゼロである。

(借方)貸倒引当金繰入 5,700

  (貸方)貸倒引当金 5,700

 

C 備品Aの減価償却を行う。

備品Aの取得原価:¥300,000
耐用年数5年・残存価額ゼロ・間接法にて計上
備品は今期購入したものである。

(借方)減価償却費 60,000

  (貸方)備品減価償却累計額
      60,000

 

D 支払保険料¥150,000は、7月1日に向こう1年分を支払った火災保険料である。未経過分を次期に繰り延べる。

(借方)前払保険料 37,500

  (貸方)支払保険料 37,500

 

E 当期の消耗品未使用高は¥25,000であった。
なお、消耗品費勘定の期末金額は¥200,000である。

(借方)消耗品費 25,000

  (貸方)消耗品 25,000

 

棚卸表の例

勘定科目

勘定科目を記載する。

摘要

勘定科目に対する内容を記載する。

例:棚卸表Aの部分の意味は、繰越商品の期末商品有高は¥90,000ということである。

内訳

摘要に該当する金額を記載する。

金額

勘定科目の内訳金額増減後の金額を記載する。

 

差入保証金とは

差入保証金

一時的に現金を預ける取引について計上する勘定をいう。

差入保証金に該当するものは、下記のものが挙げられる。

敷金

建物などの賃貸契約を結ぶ際に預けるお金。
退去時に原則返還される。

権利金

建物などの賃貸契約を結ぶ際にオーナーに支払うお金。
礼金とも呼ばれている。
退去時に返還されないのが基本である。 

建設協力金

建物の借主が貸主に対して預けるお金。
主に、大型商業施設を建設する際に発生することが多い。

営業保証金

取引の実績がない企業等と取引する際に預けるお金。
取引終了時に原則返還される。

 

差入保証金に関する仕訳

今回は敷金を預けた場合について取り上げる。

差入保証金が発生した場合は差入保証金(資産の勘定)を使用し、記帳する。
 
A 水戸産業株式会社は、事務所用の建物の賃貸契約を2年契約で結んだ。ただし、敷金として¥100,000を現金で預けた。

(借方)差入保証金 100,000

  (貸方) 現金 100,000

 

B 水戸産業株式会社は、事務所用の建物の賃貸契約が終了し、敷金¥100,000が現金で返還された。

(借方)現金 100,000

  (貸方)差入保証金 100,000

 

以上、証ひょう・棚卸表・差入保証金について、執筆いたしました。

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