みなさん、こんばんは。
本日は、実際の例題を使用したCVP分析について執筆していきます。
CVP分析実践(基礎)
例題をもとに設問の数値について見ていこう。
例:下記の資料をみて以下の問いに答えよ。
1 当月の製品の販売数量:300個
2 当月の損益計算書の数値
売上高 ¥360,000
変動費 ¥ 60,000
固定費 ¥130,000
1 損益分岐点売上高
2 安全余裕率(%)
3 貢献利益率(%)
4 営業利益率(%)
※2〜4の問いは、%値の小数第二位を切り捨てること。
解答
1 損益分岐点売上高:¥156,000
2 安全余裕率(%):56.6%
3 貢献利益率(%):83.3%
4 営業利益率(%):47.2%
解説
問いの金額を算出するために、下記の数値が必要である。
A 製品1個あたりの売上高
・売上高¥360,000→製品を300個販売したときのもの。
よって、製品1個あたりの売上高
売上高¥360,000÷販売個数300個=¥1,200/個
B 製品1個あたりの変動費
変動費¥60,000→製品300個分の変動費
よって、製品1個あたりの変動費
変動費¥60,000÷製品300個=¥200/個
C 製品1個あたりの貢献利益
売上高¥1,200/個-変動費¥200/個=貢献利益¥1,000/個
1 損益分岐点売上高
・損益分岐点売上高=営業利益がゼロのときの売上高。
この場合、貢献利益=固定費である。
設問の場合、貢献利益が¥130,000の場合の売上高が損益分岐点売上高である。
・損益分岐点販売数量
損益分岐点貢献利益¥130,000÷製品1個あたりの貢献利益¥1,000=130個
・損益分岐点売上高
損益分岐点販売数量130個×製品1個あたりの売上高¥1,200=¥156,000
2 安全余裕率
安全余裕率:現在の売上高が損益分岐点からどれだけ上回っているかを示したもの
(売上高¥360,000-損益分岐点売上高¥156,000)÷売上高¥360,000×100=56.6%
3 貢献利益率
貢献利益¥300,000÷売上高¥360,000×100=83.3%
4 営業利益率
営業利益¥170,000÷売上高¥360,000×100=47.2%
CVP分析(応用)
CVP分析実践(応用)では、数値の目標達成のための金額を算出するのが主である。
CVP分析実践(基礎)では、与えられた数値をもとに比率の算出などを行った。
応用編では、目標とする比率より金額を算出するようなことを行う。
例題をもとに内容を見ていこう。
例:以下の資料をもとに、下記の問に答えよう。
資料
1 販売数量:500個
2 販売単価:¥500/個
3 損益計算書
売上高 ¥250,000
変動費 ¥150,000
固定費 ¥ 75,000
問1 営業利益率15%を達成するために必要な販売個数
問2 販売数量を変えずに営業利益率12%を達成するために削減する固定費額
解答
問1 ¥300,000
問2 ¥5,000
解説
・損益計算書の内容より、貢献利益と営業利益を示す。
売上高 ¥250,000
変動費 ¥150,000
貢献利益 ¥100,000
固定費 ¥ 75,000
営業利益 ¥25,000
変動費単価
変動費¥150,000÷販売数量500個=¥300/個
変動費率
変動費¥150,000÷売上高¥250,000=60%(0.6)
この時点での営業利益率
営業利益¥25,000÷売上高¥250,000=10%(0.1)
貢献利益率
貢献利益¥100,000÷売上高¥250,000=40%(0.4)
問の解説
問1 営業利益率15%を達成するために必要な販売個数
必要な売上高をXとすると
売上高0.4X-固定費¥75,000=営業利益0.15X
売上高0.4X-営業利益0.15X=¥75,000
0.25X=¥75,000
売上高X=¥300,000 →必要な売上高
設問では販売個数なので、 売上高¥300,000÷販売単価¥500=600個
問2 販売数量を変えずに営業利益率12%を達成するために削減する固定費額
損益計算書の貢献利益¥100,000
達成する固定費をYとすると
達成したい営業利益:売上高¥250,000×12%(0.12)=¥30,000
貢献利益¥100,000−固定費Y=¥30,000
−固定費Y=¥30,000−¥100,000
−固定費Y=−¥70,000
固定費Y=¥70,000
→販売数量を変えずに営業利益率12%とするための固定費
設問では削減する固定費であるので
固定費¥75,000-達成する固定費¥70,000=¥5,000
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