みなさん、こんばんは。
本日は、総合原価計算での減損、仕損について執筆していきます。
減損・仕損とは
減損・・・製造の段階で、原料の一部がなくなることをいう。
仕損・・・製造途中で、加工等を失敗したものをいう。
2級工業簿記では、上記の処理を度外視法にて行う。
※度外視法で処理・・・減損・仕損がはじめからないものとみなして処理すること。
度外視法による減損・仕損が発生した場合の処理。
減損・仕損が発生した場合の処理は、加工進捗度に応じて、2通りのパターンがある。
完成品原価と月末仕掛品原価両方に賦課する方法。
このパターンは、減損・仕損が月末仕掛品の加工進捗度より手前で発生する場合に用いられる。
タイムテーブルにて見ていこう
上記のタイムテーブルより、減損は月末仕掛品の加工進捗度よりも先に発生している。
→月末仕掛品と完成品の時点で減損が発生していることがわかる。
よって、完成品と月末仕掛品減損・仕損分の原価を負担させる。
減損・仕損を完成品のみに賦課する方式。
このパターンは、減損・仕損が工程の終点または、月末仕掛品の 加工進捗度よりも後に発生する場合に用いられる。
タイムテーブルにて見ていこう。
上記のタイムテーブルより、減損は月末仕掛品の加工進捗度よりも後に発生している。
よって、月末仕掛品の時点ではまだ減損が発生していないことがわかる。
→月末仕掛品に減損・仕損分の原価を負担させるのは不適切である。
このため、完成品のみに減損・仕損分の原価を負担させる。
減損・仕損の処理
完成品と月末仕掛品 両方に負担させる場合
この場合の総勘定元帳は、下記のとおりである。
図のように、減損・仕損を含めずに計算する。
→総数量が減少する。
→1個あたりの単価は増加する。
よって、減損・仕損を自動的に、 完成品と月末仕掛品両方へ負担することができる。
完成品のみに負担させる場合
この場合の総勘定元帳は下記のとおりである。
図のように、完成品総合原価は、完成品+減損・仕損の金額であることがわかる。
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