本日は、伝票の記帳について執筆していきます。
伝票とは
伝票
企業などで、取引の内容等を記入仕訳する、一定の模式を備えた書簡をいう。
現在は3伝票制を採用している企業が多い。
ほかにも、1伝票制・5伝票制があるが、ここでは割愛する。
3伝票制で使用する伝票
3伝票制では、入金伝票・出金伝票・振替伝票と、3つの伝票を採用する。
入金伝票
取引代金等を現金または、現金同等物で受け取ったときに記帳する伝票。

出金伝票
取引代金等を現金または、現金同等物で支払ったときに記帳する伝票。

振替伝票
入金・出金伝票に記帳する取引以外の取引を、仕訳形式で記帳する伝票。

伝票の記帳(一般)
例題とともに伝票の記帳例を見ていこう。
例:3月20日
井岡商店へ買掛金¥200,000のうち¥100,000は現金、残額は小切手で支払った。
・出金伝票番号:13
・振替伝票番号:118
仕訳は・・・
(借方)買掛金 200,000
(貸方)現金 100,000
当座預金 100,000
これを伝票に記帳すると...


伝票の記入について
1 摘要には、取引内容等を記入する。
2 伝票記入後の余白には、書き込みができないように斜線を入れる。
3 入金伝票にて、貸方勘定が2つ以上ある場合、それぞれの勘定科目ごとに伝票を記入する。
4 出金伝票にて、借方勘定が2つ以上ある場合、それぞれの勘定科目ごとに伝票を記入する。
3・4の項目の例を示す。
3の取引パターン例
下記の仕訳をもとに伝票の記入例を示す
※ 伝票の日付等は省略します。
(借方)現金 〇〇〇
(貸方)受取手形 △△△
売掛金 ◇◇◇
伝票の記入例


4の取引パターン例
下記の仕訳をもとに伝票の記入例を示す。
※ 伝票の日付等は省略します。
(借方)支払手形 ◇◇◇
買掛金 △△△
(貸方)現金 〇〇〇
伝票の記入例


伝票の記帳(商品売買)
商品売買取引に関しては、1つの売買取引に対して2つ以上の売上・仕入勘定が発生することが多い。
この場合、集計が煩雑となる。
そこで・・・
1 一旦代金を掛け取引として振替伝票に記帳する。
2 代金の受払額を別の伝票に振り分ける。
という手続きを行うことが多い。
例題とともに伝票の記帳例を見ていこう
水戸産業株式会社は、商品¥500,000を売り上げ、代金のうち¥300,000は現金で受け取り、残額は約束手形にて受け取った。
仕訳は下記の通りとなる。
(借方)現金 300,000
受取手形 200,000
(貸方)売上 500,000
これを伝票に記帳すると...


しかし、先ほどの取引の場合、売上の取引は1つであるのに対し、売上が記載された伝票が2枚存在している
→集計等が煩雑となる。
そこで、一旦掛け取引とした場合は下記の通りとなる。
1 一旦掛け取引にし、振替伝票へ記載する。
仕訳
(借方)売掛金 500,000
(貸方)売上 500,000
これを伝票にすると...

2 代金の受け渡しは、売掛金の決済を行ったように伝票へ記載する。
仕訳
(借方)現金 300,000
受取手形 200,000
(貸方)売掛金 500,000
これを伝票にすると...


以上、伝票の記帳について執筆いたしました。
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