本日は、決算整理仕訳のうち、費用と収益の見越・繰延について、執筆していきます。
(費用・収益の)見越・繰延とは
(費用・収益の)見越
まだ発生していない費用・収益を、当期に発生したものとみなし、計上すること。
見越のイメージ図
(費用・収益の)繰延
すでに発生している費用・収益の計上を、次期に先送りすること。
なお、次期の期首を迎えたら、再振替仕訳を行う。
繰延のイメージ図
(費用・収益の)見越・繰延が発生する項目
見越が発生する項目
未収収益・・・
提供した役務に対して、代金が支払われていないもの
未払費用・・・
提供をうけた役務に対して、代金が支払われていないもの
繰延が発生する項目
前受収益・・・
役務を提供していない状態で代金が支払われているもの
前払費用・・・
役務の提供を受ける前に代金が支払われているもの
(費用・収益の)見越・繰延に関する仕訳
使用する勘定科目は下記のとおりである。
※1 ○○には収益の勘定が入る。
※2 △△には費用の勘定が入る。
例題をもとに仕訳を見ていこう。
なお、会計期間は1月1日から12月31日である。
例1 10月1日~来年3月31日までの手数料¥6,000を来年4月1日に受け取ることとなっている。手数料の経過分を次期に繰り延べる。
・決算整理仕訳
(借方)未収手数料 3,000
(貸方) 受取手数料 3,000
・再振替仕訳
(借方)受取手数料 3,000
(貸方)未収手数料 3,000
1か月当たりの手数料
¥6,000÷6か月=¥1,000
経過分
¥1,000×3か月=¥3,000
例2 受取家賃¥120,000は、10月1日に向こう6か月分を受け取ったものである。家賃の未経過分を次期に繰り延べる。
・決算整理仕訳
(借方)受取家賃 60,000
(貸方)前受家賃 60,000
・再振替仕訳
(借方)前受家賃 60,000
(貸方)受取家賃 60,000
1か月当たりの家賃
¥120,000÷6か月=¥20,000
未経過分
¥20,000×3か月=¥60,000
例3 備品に対する保険料¥12,000は4月1日に向こう1年分を支払ったものであるため、保険料の未経過分を次期に繰り延べる。
・決算整理仕訳
(借方) 前払保険料 3,000
(貸方)支払保険料 3,000
・再振替仕訳
(借方)支払保険料 3,000
(貸方)前払保険料 3,000
1か月当たりの保険料
¥12,000÷12か月=¥1,000
未経過分
¥ 1,000×3か月=¥3,000
例4 借入金¥30,000は10月1日より6か月間借り入れたものである。返済は利息¥1,200とともに一括で行う。利息の経過分を次期に繰り延べる。
・決算整理仕訳
(借方)支払利息 600
(貸方)未払利息 600
・再振替仕訳
(借方)未払利息 600
(貸方)支払利息 600
1か月当たりの利息
¥1,200÷6か月=¥200
経過分
¥200×3か月=¥600
決算整理仕訳のうち、費用と収益の見越・繰延について、執筆していきます。
以上、決算整理仕訳のうち、費用と収益の見越・繰延について、執筆いたしました。
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