2級商業簿記 2.4.10 期中取引 固定資産 無形固定資産(企業買収・ソフトウェア)

本日は、無形固定資産のうち、企業買収(吸収合併)とソフトウェア取得時の処理について、執筆していきます。

 

企業買収とは

買収

企業が1社以上の別企業を対価を支払い、買い取ることをいう。M&Aとも呼ばれている。

ここでは、事例が多い吸収合併について執筆していく。

吸収合併

ある企業が1社以上の企業を買収し、買収先企業の1つとなる合併をいう。

吸収合併後は、企業は2社以上から1社になる。

 

吸収合併時の仕訳

例題をもとに仕訳手順と仕訳例を見ていこう。

例 関本物産株式会社は、関南商会を吸収合併し、合併による対価¥10,000,000は小切手を振り出して支払うこととした。
なお、合併時点の関南商会の諸資産は¥18,000,000、諸負債¥9,000,000である。

解答

(借方)諸資産 18,000,000    

    のれん 1,000,000

  (貸方)諸負債 9,000,000     

      当座預金 10,000,000

 

解説と仕訳手順

1 合併後は相手先企業の資産・負債をすべて引き継ぐため、仕訳の記載は下記のとおり行う。

借方
資産に属する勘定科目と金額

貸方
負債に属する勘定科目と金額

例題の場合、資産と負債に属する勘定はそれぞれ諸資産・諸負債であるため仕訳は下記のように記載する。

(借方)諸資産 18,000,000  

  (貸方)諸負債 9,000,000

 

2 取得対価¥10,000,000を当座預金にて支払っているので、仕訳の記載は下記のとおり行う。

  (貸方)当座預金 10,000,000 

 

3 合併対価と企業価値の差額をのれん勘定を使用し、処理する。

企業価値とは、相手先企業の純資産額をいう。

よって、純資産額を算出する。 

純資産額の算出

諸資産¥18,000,000−諸負債¥9,000,000
=純資産¥9,000,000

つまり、被買収企業の企業価値(純資産額)は¥9,000,000である。

取得対価は¥10,000,000であり、純資産額を¥1,000,000上回っている。

この¥1,000,000は相手先企業のノウハウ・ブランドなどを取得するための対価と考えることができる。 

対価を表す勘定科目
=のれんとなる
そのため、のれん勘定(資産の勘定)を使用し、下記の仕訳を行う。

(借方)のれん 1,000,000

1~3の仕訳をまとめると下記のようになる。

(借方)諸資産 18,000,000

    のれん 1,000,000

  (貸方)諸負債 9,000,000

      当座預金 10,000,000

 

ソフトウェアとは

ソフトウェア

目的の動作を行うよう設計されたプログラムをいう。

プログラムは、物として見えないため無形固定資産に分類される。

ソフトウェアの例として、給料計算ソフトや勤怠管理ソフトなどがある。

ここでは、自社で利用するソフトウェアについて取り上げる。

 

自社にてソフトウェアを導入する目的

作業時間短縮など業務効率化を目的として導入する。 

ソフトウェアの特徴

 

ソフトウェア取得時の仕訳

自社で利用するソフトウェアを取得した際は、ソフトウェア勘定を使用し、記帳する。

例 稲垣物産株式会社は、業務効率化のため給料計算ソフト¥300,000を導入し、代金は45日後に支払うこととなった。また、導入に要する費用¥20,000は現金で支払った。

解答

(借方)ソフトウェア 320,000

  (貸方)未払金 300,000

      現金 20,000

 

解説

A ソフトウェアの金額

給料計算ソフト¥300,000+導入に要する費用¥20,000
=¥320,000

※ソフトウェア導入の際に発生する付随費用は、ソフトウェアの金額に含めて処理する。    

B 未払金の額

給料計算ソフトウェアの金額
¥300,000  

C 現金支払額

導入に要する費用
¥20,000

 

以上、無形固定資産のうち、のれんとソフトウェアの処理について取り上げました。

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