本日は、仕損について執筆していきます。
仕損(しそんじ)とは
仕損
製造中の製品の全部または一部に不良が発生することをいう。
仕損が発生した製品を仕損品(しそんじひん)と呼ぶ
仕損の例
A 陶器を窯焼き後に割れてしまった。
B 受注生産で製造している作業台の寸法に誤りがあった。
などがある。
仕損が発生した場合の仕訳
製品の一部に仕損が発生し、補修した場合
1 補修に要した費用(材料費・労務費・経費)を仕掛品として計上する。
例1:製造指図書#1に仕損が発生したため、補修指図書#101を発行し補修を実施した。
補修に際し、材料¥30,000、労務費¥10,000を消費した。
解答
(借方)仕掛品 40,000
(貸方)材料 30,000
労務費 10,000
解説
材料と労務費を消費したため、それぞれ貸方に材料と労務費の金額を記帳する。
(貸方)材料 30,000
労務費 10,000
借方には、材料と労務費の合計額を、一旦仕掛品勘定へ記帳する。
(借方)仕掛品 40,000
仕掛品勘定を使用する理由
製造中の製品に対して消費されているため。
2 補修に要した製造原価を仕損費勘定に振り替える。
例2 例1で計上した補修費を仕損費勘定へ振り替えた。
解答
(借方)仕損費 40,000
(貸方)仕掛品 40,000
3 仕損費を製造原価に振り替える
例3 例2で計上した仕損費を製造指図書#1へ賦課した。
解答
(借方)仕掛品 40,000
(貸方)仕損費 40,000
製品のすべてが仕損となった場合
製造原価として計上している額を、仕掛品勘定から仕損費勘定へ振り替える。
例1 製造指図書#2の製品が全て仕損となった。なお、仕損時点の製造原価は¥300,000である。
解答
(借方)仕損費 300,000
(貸方)仕掛品 300,000
解説
仕損分を仕掛品勘定より減額する。
(貸方)仕掛品 300,000
製造指図書#3全てに仕損が発生したため、仕損費を計上する。
(借方)仕損費 300,000
上記の仕訳をまとめると、解答の通りとなる。
また、仕損が発生した製品に価値がある場合は、価値分を仕損品勘定を使用し処理する。
例2 製造指図書#3の製品が全て仕損となった。なお、仕損時点の製造原価は¥300,000であり、仕損品の価値は¥10,000と見積もられた。
解答
(借方)仕損費 290,000
仕損品 10,000
(貸方)仕掛品 300,000
解説
仕損分を仕掛品勘定より減額する。
(貸方)仕掛品 300,000
製造指図書#3全てに仕損が発生したため、仕損費を計上する。
例2の問題の場合、¥10,000は価値として残っているため、仕損品として計上する。
(借方)仕損費 290,000
仕損品 10,000
以上、個別原価計算における仕損について取り上げました。
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