2級工業簿記 2.5.7 個別原価計算 仕損

本日は、仕損について執筆していきます。

 

仕損(しそんじ)とは

仕損

製造中の製品の全部または一部に不良が発生することをいう。

仕損が発生した製品を仕損品(しそんじひん)と呼ぶ

仕損の例

A 陶器を窯焼き後に割れてしまった。

B 受注生産で製造している作業台の寸法に誤りがあった。

などがある。

 

仕損が発生した場合の仕訳

製品の一部に仕損が発生し、補修した場合

1 補修に要した費用(材料費・労務費・経費)を仕掛品として計上する。

例1:製造指図書#1に仕損が発生したため、補修指図書#101を発行し補修を実施した。
補修に際し、材料¥30,000、労務費¥10,000を消費した。

解答

(借方)仕掛品 40,000

  (貸方)材料 30,000

      労務費 10,000

 

解説

材料と労務費を消費したため、それぞれ貸方に材料と労務費の金額を記帳する。

  (貸方)材料 30,000

      労務費 10,000

 

借方には、材料と労務費の合計額を、一旦仕掛品勘定へ記帳する。

(借方)仕掛品 40,000

 

仕掛品勘定を使用する理由

製造中の製品に対して消費されているため。

 

2 補修に要した製造原価を仕損費勘定に振り替える。

例2 例1で計上した補修費を仕損費勘定へ振り替えた。

解答

(借方)仕損費 40,000

   (貸方)仕掛品 40,000

 

3 仕損費を製造原価に振り替える

例3 例2で計上した仕損費を製造指図書#1へ賦課した。

解答

(借方)仕掛品 40,000

   (貸方)仕損費 40,000

 

製品のすべてが仕損となった場合  

製造原価として計上している額を、仕掛品勘定から仕損費勘定へ振り替える。

例1 製造指図書#2の製品が全て仕損となった。なお、仕損時点の製造原価は¥300,000である。

解答

(借方)仕損費 300,000

   (貸方)仕掛品 300,000

 

解説

仕損分を仕掛品勘定より減額する。

  (貸方)仕掛品 300,000

 

製造指図書#3全てに仕損が発生したため、仕損費を計上する。

(借方)仕損費 300,000

上記の仕訳をまとめると、解答の通りとなる。

 

また、仕損が発生した製品に価値がある場合は、価値分を仕損品勘定を使用し処理する。

例2 製造指図書#3の製品が全て仕損となった。なお、仕損時点の製造原価は¥300,000であり、仕損品の価値は¥10,000と見積もられた。

解答

(借方)仕損費 290,000

    仕損品  10,000

   (貸方)仕掛品 300,000

 

解説

仕損分を仕掛品勘定より減額する。

  (貸方)仕掛品 300,000

 

製造指図書#3全てに仕損が発生したため、仕損費を計上する。

例2の問題の場合、¥10,000は価値として残っているため、仕損品として計上する。

(借方)仕損費 290,000

    仕損品 10,000

 

以上、個別原価計算における仕損について取り上げました。

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