2級工業簿記 2.6.5 総合原価計算 等級別総合原価計算の説明・仕訳

本日は、等級別総合原価計算の説明・仕訳について執筆していきます。

 

等級別総合原価計算とは

等級別総合原価計算

一つの製品に対して異なる等級がある場合に、採用される総合原価計算をいう。

例として、衣類などがあげられる。
衣類:1つの製品に対して複数のサイズが設定されていることが多い。

等級別総合原価計算のイメージ

図のように、等級ごとに大きさが違う といったものを取り扱う。

等級別総合原価計算表の作成の流れ

等級別総合原価計算表は主に、下記の手順にて作成される。

A 単純総合原価計算表を作成し、全体の完成品原価を算出する。

B 等価係数を算出する。
等価係数:等級を数値化したものをいう。

C 積数を算出する。
積数:等価係数に等級ごとの各等価級数の生産量をかけたもの。
等価係数×各等価級数の生産量にて求められる。

等級別総合原価計算の仕訳

等級別総合原価計算の仕訳は、次のとおりとなる。

例:伊藤製作所では3つのサイズの製品A製造しており、等級別総合原価計算を採用している。以下の内容の仕訳を答えよう。

1 材料消費額計上時の仕訳

2 賃金消費額計上時の仕訳

3 経費消費額計上時の仕訳

4 製品完成時の仕訳

1 原価データ

・材料投入額:¥200,000
※材料は製造着手時にすべて投入している。

・賃金消費額:¥500,000

・経費消費額:¥700,000
(内訳:水道光熱費¥500,000 
    減価償却費¥200,000)

・月初仕掛品原価総額 
 ¥200,000 

・月末仕掛品原価総額 
 ¥300,000

・等級別積数
1級製品:500
2級製品:300
3級製品:200

解答

A 材料消費額計上時の仕訳

(借方)仕掛品 200,000

  (貸方)材料 200,000

  

B 賃金消費額計上時の仕訳

(借方)仕掛品 500,000

  (貸方)賃金 500,000

 

C 経費消費額計上時の仕訳

(借方)仕掛品 700,000

  (貸方)水道光熱費 500,000

      減価償却費 200,000

 

D 当月の完成品原価計上時の仕訳

(借方)1級製品 650,000

    2級製品 390,000

    3級製品 240,000

  (貸方)仕掛品 1,300,000

解説 

完成品原価総額

当月製造原価¥1,400,000+月初仕掛品¥200,000−月末仕掛品¥300,000
=完成品原価総額¥1,300,000 

当月製造原価

当月材料費¥200,000+当月労務費¥500,000+当月経費¥700,000
=¥1,400,000

1級製品完成品原価

完成品原価総額¥1,300,000×1級製品積数500÷積数合計1,000
=¥650,000

2級製品完成品原価

完成品原価総額¥1,300,000×2級製品積数300÷積数合計1,000
=¥390,000

3級製品完成品原価

完成品原価総額¥1,300,000×3級製品積数200÷積数合計1,000
=¥240,000
 
以上、等級別総合原価計算の説明と仕訳について、取り上げました。

記事カテゴリー
2級工業簿記 
bokikouzaをフォローする
簿記講座.com

コメント

タイトルとURLをコピーしました