本日は、等級別総合原価計算の説明・仕訳について執筆していきます。
等級別総合原価計算とは
等級別総合原価計算
一つの製品に対して異なる等級がある場合に、採用される総合原価計算をいう。
例として、衣類などがあげられる。
衣類:1つの製品に対して複数のサイズが設定されていることが多い。
等級別総合原価計算のイメージ
図のように、等級ごとに大きさが違う といったものを取り扱う。
等級別総合原価計算表の作成の流れ
等級別総合原価計算表は主に、下記の手順にて作成される。
A 単純総合原価計算表を作成し、全体の完成品原価を算出する。
B 等価係数を算出する。
等価係数:等級を数値化したものをいう。
C 積数を算出する。
積数:等価係数に等級ごとの各等価級数の生産量をかけたもの。
等価係数×各等価級数の生産量にて求められる。
等級別総合原価計算の仕訳
等級別総合原価計算の仕訳は、次のとおりとなる。
例:伊藤製作所では3つのサイズの製品A製造しており、等級別総合原価計算を採用している。以下の内容の仕訳を答えよう。
1 材料消費額計上時の仕訳
2 賃金消費額計上時の仕訳
3 経費消費額計上時の仕訳
4 製品完成時の仕訳
1 原価データ
・材料投入額:¥200,000
※材料は製造着手時にすべて投入している。
・賃金消費額:¥500,000
・経費消費額:¥700,000
(内訳:水道光熱費¥500,000
減価償却費¥200,000)
・月初仕掛品原価総額
¥200,000
・月末仕掛品原価総額
¥300,000
・等級別積数
1級製品:500
2級製品:300
3級製品:200
解答
A 材料消費額計上時の仕訳
(借方)仕掛品 200,000
(貸方)材料 200,000
B 賃金消費額計上時の仕訳
(借方)仕掛品 500,000
(貸方)賃金 500,000
C 経費消費額計上時の仕訳
(借方)仕掛品 700,000
(貸方)水道光熱費 500,000
減価償却費 200,000
D 当月の完成品原価計上時の仕訳
(借方)1級製品 650,000
2級製品 390,000
3級製品 240,000
(貸方)仕掛品 1,300,000
解説
完成品原価総額
当月製造原価¥1,400,000+月初仕掛品¥200,000−月末仕掛品¥300,000
=完成品原価総額¥1,300,000
当月製造原価
当月材料費¥200,000+当月労務費¥500,000+当月経費¥700,000
=¥1,400,000
1級製品完成品原価
完成品原価総額¥1,300,000×1級製品積数500÷積数合計1,000
=¥650,000
2級製品完成品原価
完成品原価総額¥1,300,000×2級製品積数300÷積数合計1,000
=¥390,000
3級製品完成品原価
完成品原価総額¥1,300,000×3級製品積数200÷積数合計1,000
=¥240,000
以上、等級別総合原価計算の説明と仕訳について、取り上げました。
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