3級商業簿記 3.1.3 決算(個人商店)  決算整理仕訳(貸倒引当金の算定)

本日は、決算整理仕訳のうち、貸倒引当金の計上について、執筆していきます。

貸倒引当金とは

貸倒引当金

当期に発生した売上債権(受取手形・売掛金・電子記録債権など)が貸倒損失となる可能性があることを見越して計上される引当金をいう。

 

貸倒引当金設定の理由

当期の損益を正確に設定するため。

売上債権の発生年度と貸し倒れの発生年度が異なる場合、正確な損益を計上することができなくなる。

貸倒引当金を設定することにより帳簿の整合性を保つことができる。

貸倒引当金を設定していない場合

前期の債権に対する貸倒分を当期に計上している。
→前期で計上すべき損失を当期で計上することとなる。

貸倒引当金を設定している場合

前期の債権に対する貸倒分を引当金を取り崩して計上している。
→前期で発生した債権に対する貸倒であることがわかる。

※引当金以上の貸倒→引当金との差額を貸倒損失として計上する。

貸倒引当金の決算整理仕訳

貸倒引当金を設定する際は・・・

借方:貸倒引当金繰入勘定(費用の勘定)  

貸方:貸倒引当金勘定(負債の勘定

を使用し処理する。 

また、計上の仕方は差額補充法と洗替法がある。

 

差額補充法

当期の貸倒引当金と前期の貸倒引当金の差額を計上する方法。

洗替法

前期の貸倒引当金を取り崩し、当期の貸倒引当金を計上する方法。

※ 前期の貸倒引当金を取り崩す場合は、貸倒引当金戻入勘定(収益の勘定)を使用し、処理する。

例題を元に貸倒引当金を設定する際の仕訳を見ていこう。

総勘定元帳の決算整理前元帳残高は下記の通りであった。
受取手形  :¥1,000,000
売掛金   :¥1,500,000
電子記録債権:¥750,000
貸倒引当金 :¥7,000

それぞれの売上債権に対して2%の貸倒引当金を設定する。

・差額補充法にて計上した場合

(借方)貸倒引当金繰入 58,000

(費用の発生)

(貸方) 貸倒引当金 58,000

(負債の増加)

貸倒引当金¥58,000=
((受取手形¥1,000,000+売掛金¥1,500,000+電子記録債権¥750‚000)×2%)-前期の貸倒引当金¥7,000

・洗替法にて計上した場合

1 前期の貸倒引当金の取り崩し

(借方) 貸倒引当金 7,000

(負債の減少)

(貸方) 貸倒引当金戻入 7,000

(収益の発生)

2 当期の貸倒引当金の計上

(借方) 貸倒引当金繰入 65,000

(費用の発生)

(貸方) 貸倒引当金 65,000

(負債の増加)

当期の貸倒引当金
貸倒引当金¥65,000=(受取手形¥1,000,000+
売掛金¥1,500,000+電子記録債権¥750.000)×2%

 

以上、決算整理仕訳のうち、貸倒引当金の計上について取り上げました。

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