本日は、株式会社の設立・開業・増資について、執筆していきます。
株式会社とは
株式会社
出資者(株主)より資金を募り、その資金をもとに経営者によって経営される企業をいう。
個人企業と株式会社の違い
個人企業
事業主自身の資金を元入れし、開業する。
この場合、事業主=出資者である。
株式会社
出資者(株主)より資金を募り、設立する。
この場合、事業主≠出資者である。
株式会社の設立
株式会社の設立は、下記のように行われる。
A 発起人が定款を作成する。
発起人:会社設立の手続きを行う人。
定款:会社の目的・商号などの基本的事項を記載した文書
B 定款に基づき株式を発行し、出資者より資金を調達する。
株式の発行に際し、株券を発行することができる。
ただし、株券を発行することを定款に定める必要がある。
株式:株式会社の株主であることを示す証書
出資者:株主
C 会社設立。
その後、開業準備をし、完了したところで事業開始となる。
コラム 「社員」という言葉について
会社内では、一般的に従業員のことを「社員」と呼ぶことが多いが、 株式会社の場合は、株主のことを「社員」という。
株式会社設立のイメージ
株式会社設立・開業時の仕訳
株式会社の設立と開業の違い
設立と開業の違いは、期間のタイミングである。
設立
株式会社の設立準備から設立完了までの期間
開業
設立完了から事業開始までの期間
A 会社設立時の資本金
原則
全額資本金として計上する。
例外
・払込金の1/2以上を資本金とすればよい。
(会社法に基づく)
・資本金とならなかった部分については、資本準備金勘定(純資産の勘定)にて処理する。
B 会社設立・開業時の費用
会社設立までの費用
創立費(費用の勘定)にて処理する。
会社設立から開業までの費用
開業費(費用の勘定)にて処理する。
なお、創立費・開業費は繰延資産として計上することができる。
その場合は、資産の勘定となる。
例1 水戸産業株式会社は、会社設立にあたり株式5,000株を1株¥1,000にて発行し、全額の引き受け・払い込みを受け、払込金は全額当座預金とした。
(借方)当座預金 5,000,000
(貸方)資本金 5,000,000
払込金¥5,000,000=
1株¥1,000×5,000株
例2 土浦産業株式会社は、会社設立にあたり株式5,000株を1株¥1,000にて発行し、全額の引き受け・払い込みを受け、払込金は全額当座預金とした。ただし、払込金の1/2は資本金としないこととした。
(借方) 当座預金 5,000,000
(貸方) 資本金 2,500,000
資本準備金 2,500,000
払込金¥5,000,000=
1株¥1,000×5,000株
資本準備金¥2,500,000=
払込金¥5,000,000×1/2
例3 ひたちなか商事株式会社は、定款作成に要した費用 ¥100,000を現金で支払った。ただし、費用として計上する。
(借方)創立費 100,000
(貸方)現金 100,000
例4 潮来精機株式会社は、開業に要した費用¥300,000を現金で支払った。ただし、費用として計上する。
(借方)開業費 300,000
(貸方)現金 300,000
株式増資時の仕訳
株式の増資時も、創立時の株式発行と仕訳は同じである。
ただし、株式発行時にかかる諸費用は株式交付費(費用の勘定)にて処理する。
なお、株式交付費は繰延資産として計上することができる。
その場合は、資産の勘定となる。
例1 水戸産業株式会社は、増資のため株式5,000株を1株¥1,000にて発行し、全額の引き受け・払い込みを受け、払込金は全額当座預金とした。なお、株式発行に要した費用¥100,000は現金で支払った。
(借方)当座預金 5,000,000
株式交付費 100,000
(貸方)資本金 5,000,000
現金 100,000
払込金¥5,000,000=
1株¥¥1,000×5,000株
例2 土浦産業株式会社は、増資のため株式5,000株を1株¥1,000にて発行し、全額の引き受け・払い込みを受け、払込金は全額当座預金とした。ただし、払込金の1/2は資本金としないこととした。
(借方) 当座預金 5,000,000
(貸方) 資本金 2,500,000
資本準備金 2,500,000
払込金¥5,000,000=
1株¥1,000×5,000株
資本準備金¥2,500,000=
払込金¥5,000,000×1/2
以上、株式会社の設立・開業・増資について、執筆していたしました。
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